循環器内科

診療・各部門

循環器内科

循環器内科の特色と専門分野

山口県東部の中核病院として、あらゆる心臓疾患を総合的に診療しています

虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症など)、心不全、不整脈、閉塞性動脈硬化症は特にハイレベルかつ専門的な診療を行っています。また検査、治療にあたっては、医師、看護師らスタッフが十分に説明を行い不安を少なくするよう努力しています。年間約150例の急性心筋梗塞症例の紹介搬送を受け入れており、365日24時間対応で心臓カテーテル室をフル稼動させ、迅速かつ確実な血行再建、CCU管理、そして回復、社会復帰に至るまでの徹底した治療を行っています。虚血性心疾患の診断には320列MDCTやRIを役立てており最善な経皮的冠動脈形成術(PCI)をするよう心がけています。さらに血管内超音波(IVUS)、光干渉断層法(OCT)、血流予備量比(FFR)等を駆使して最適な治療を心がけています。また、難治性の冠動脈疾患患者さんに対してもロータブレーター、ダイアモンドバック、エキシマーレーザーアテレクトミー等の最先端の医療器具を駆使して治療を行っています。重症心不全症例については集中治療室における血行動態モニタ-の下的確な薬物治療を施行しています。最重症例には大動脈内バルーンパンピング(IABP)や体外心肺補助循環装置(PCPS)、インペラ(Impella)を用いた循環補助を行うことで、救命、回復に至った症例を多数経験しています。不整脈についてもエンサイト等の最新鋭の機器を駆使しカテーテルアブレーションによる根治術を行っています。特に最近は心房細動に対するアブレーションが急増しています。危険性の高い不整脈には植え込み型除細動器(ICD)を使用して、必要な場合は両心室ペースメーカー(CRT)を加えることにより、QOLの向上や突然死の予防を行っています。閉塞性動脈硬化症(下肢の血流が悪くなった患者さん)の患者さんも増加しており、こうした患者さんの治療にも力を入れ良好な成績を収めています。さらに心臓リハビリテーションも導入し長期予後の改善、QOLの改善を目指しています。

当科の特徴としては

① 24時間常時専門医が循環器救急に対応しており、スタッフ全員が協力しあって患者の治療に取り組んでいること。 ② 最善と考えられる治療法やその他選択可能な治療法を患者さんとご家族によく説明し、インフォームドコンセントに基づいた治療を行っていること。 ③ 心臓外科と一体となって機能しているため、円滑かつ効率的で高度な循環器治療を行うことができること。(心臓外科との合同カンファレンスも定期的に施行) ④ 多くの治療実績から多くの経験、よりよい治療が見えてくることとなり、それを日本国内、世界にむけても発信し高い評価をうけていること。 ⑤ 常に若い医師を育て、皆が話し合いの中で切磋琢磨して成長していくようにしていること。

などがあげられます。 今後も地域の病院や開業医の先生方と密接に連携し、地域に根ざした医療の一層の充実を図るべく、努力して参ります。
主任部長
分山 隆敏
昭和60年卒
日本内科学会総合内科専門医/指導医・日本循環器学会専門医・日本心血管インターベンション治療学会指導医/認定医/専門医・日本プライマリ・ケア連合学会認定医/指導医・日本医師会認定産業医
日本内科学会・日本循環器学会・日本心臓病学会・日本心血管インターベンション治療学会・日本不整脈心電学会・日本心不全学会・日本プライマリ・ケア連合学会
日本内科学会中国支部評議員・日本心血管インターベンション治療学会代議員・日本心血管インターベンション治療学会中国四国支部評議員・American College of Physicians・Fellow of the Japanese College of Cardiology・山口大学医学部臨床教授
副主任部長
原田 希
平成9年卒
日本内科学会総合内科専門医・日本循環器学会専門医・日本超音波医学会専門医
日本内科学会・日本循環器学会・日本超音波医学会・日本心臓病学会・日本心血管インターベンション治療学会
副主任部長
田中 正和
平成9年卒
日本内科学会認定医・日本循環器学会専門医・日本医師会認定産業医・日本心血管インターベンション治療学会認定医/専門医
日本内科学会・日本循環器学会・日本心臓病学会・日本心血管インターベンション治療学会・日本高血圧学会
部長
平塚 淳史
平成17年卒
日本内科学会認定医・日本循環器学会専門医・日本不整脈心電学会認定不整脈専門医
日本内科学会・日本循環器学会・日本不整脈心電学会
部長
南野 巧真
平成23年卒
日本内科学会認定医・日本循環器学会専門医
日本内科学会・日本循環器学会・日本心血管インターベンション治療学会・日本心臓リハビリテーション学会
医長
田中 慎二
平成27年卒
日本内科学会内科認定医・日本循環器学会循環器専門医
日本内科学会・日本循環器学会・日本心血管インターベンション治療学会・日本心臓リハビリテーション学会
医員
中司 琢人
令和3年卒
 日本内科学会・日本循環器学会
医員
沖村 貴之
令和3年卒
日本内科学会・日本循環器学会
非常勤
藤村 達大
平成15年卒
日本内科学会・日本循環器学会
月曜日火曜日水曜日木曜日金曜日
午前分山 隆敏

田中 正和

中司 琢人
平塚 淳史

南野 巧真

田中 慎二

沖村 貴之
原田 希

平塚 淳史

中司 琢人
分山 隆敏

田中 正和

田中 慎二
原田 希

南野 巧真

沖村 貴之
午後

インペラ(IMPELLA)の導入

補助循環用ポンプカテーテル(IMPELLA)

山口県内で初めてインペラ(IMPELLA)を導入しました。 重症心不全や心原性ショックに対して、救命だけでなく自己の心臓の機能回復を目指し、 チーム全員でより高いレベルでの治療を実践して参ります。
◆インペラ(IMPELLA)とは◆
重症の心筋梗塞や心筋炎など心原性のショック状態(全身に血液を十分に送ることができない状態)に陥った患者さんに対して、心臓の代わりとなって全身に血液を送るための循環補助装置です。 非常に小型の心内留置型ポンプカテーテルで、大腿動脈(太ももの付け根)や鎖骨下の血管から心臓までカテーテルを挿入しますので、開胸手術は行われません。
より迅速に、そして患者さんへの侵襲が少なく、従来の循環補助装置よりも体への負担が少ないことが特徴となります。
◆仕組み◆
IMPELLAポンプカテーテル

IMPELLA制御装置

心原性ショックとは急性心筋梗塞や劇症型心筋炎など重症心不全により自己の機能が低下し、薬物療法や他の治療方法を行っても血圧が保てず、全身に十分な血流を送れなくなった状態です。 何らかの方法で心臓のポンプ機能の代替を行なわなければ死に至る極めて重篤な状態です。 心停止を来す状態でない場合でも、腎臓・肝臓・脳などの重要臓器へ十分な血流が送れていなければ臓器障害(腎不全・肝不全など)が進行することで死に至ってしまいます。 当院でのこれまでの治療に新たにインペラが加わることで、より多くの心原性ショック、重症心不全の患者さんの治療に役立て、地域医療に貢献できますよう、循環器内科、心臓血管外科、救急科、臨床工学技士、臨床検査技師、看護師が連携を図り診療に努めます。

患者さんの紹介について

救急患者さんに対しては、24時間常時、病院又は自宅待機で対応しています。

新しい医療機器について

新しくバイプレーンシネアンギオ装置を購入し、従来の装置とあわせて常時2台使用可能になりました。 また不整脈解析装置(エンサイト)も導入しました。 救急患者の緊急心カテや慢性完全閉塞(CTO)患者の治療に十分に時間をかけることができるようになりました。 またバイプレーンシネアンギオ装置とエンサイトを併用することで不整脈治療がやりやすくなりました。