病院長挨拶

病院長写真

 新年のご挨拶を申し上げます。まずは元日の能登半島地震において亡くなられた方に心より哀悼の意を表しますとともに被災者の皆様にお見舞い申し上げます。

 当院は昭和21年に社会保険病院として設立されて以来、今日のJCHO徳山中央病院に至るまで、周南医療圏の中核病院の役割を担ってまいりました。本年で78周年を迎えます。

 令和2年から続いた新型コロナ感染症禍で、当院は高度急性期・専門医療と感染症指定医療機関として、新型コロナ感染対応はもとより、新型コロナ陽性者の透析、分娩、緊急手術等にも対応して参りました。オミクロン株さらにはその変異株のまん延・大流行が続き、院内クラスターに見舞われたり、職員の感染等もあり一時期診療制限を余儀なくされたこともありましたが、診療を中止することなく乗り越えることが出来たのも、責任感・使命感に燃えた職員の奮闘努力と関係機関の皆様のご支援のおかげと感謝申し上げます。

 昨年の5月8日に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が、季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられ、これまでの暮らしを一変させた新型コロナ感染症は、少なくとも一般社会においては区切りを迎え、平時の体制に切り替わりました。しかしながら、未だに新型コロナやインフルエンザの感染拡大がみられることから、病院内においては院内感染の発生を防ぐためにも基本的な感染対策(手洗いの励行とマスク着用)の重要性は変わりませんのでご協力をお願い致します。

 さて、2040年を展望した三位一体改革(地域医療構想の実現、医師・医療従事者の働き方改革の推進、医師偏在対策の推進)が着実に進められています。これからは病院の役割・機能分担が、より一層明確化されていくことでしょう。

 当院は5疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患)5事業(救急医療、災害時における医療、へき地医療、周産期医療及び小児医療)すべてに取り組んでおりますが、今後さらに高度急性期、急性期医療を担う基幹病院としてその役割を果たすべく切磋琢磨し、地域住民の皆様ひいては社会により一層貢献できるよう準備を進めています。

 その一環として、令和3年10月から新棟建設工事に着工しています。災害時も地域の医療を守る、災害に強い病院を目指します。何分にも当院の敷地面積が狭いため一括での工事ができません。建設、移動、解体、建設と工期をI期II期と分けていく必要があります。諸事情により遅れが生じたため、I期工事終了・外来棟のオープンは今年の春, II期工事終了は令和8年春頃を予定しています。診療しながらの工事故、皆様には大変なご不便、ご迷惑をおかけしますが何卒ご理解ご協力をお願い申し上げます。

令和6年1月

独立行政法人地域医療機能推進機構
徳山中央病院
院長  沼 文隆