インペラ(IMPELLA)の導入について

補助循環用ポンプカテーテル(IMPELLA)

山口県内で初めてインペラ(IMPELLA)を導入しました。
重症心不全や心原性ショックに対して、救命だけでなく自己の心臓の機能回復を目指し、チーム全員でより高いレベルでの治療を実践して参ります。

◆インペラ(IMPELLA)とは◆

重症の心筋梗塞や心筋炎など心原性のショック状態(全身に血液を十分に送ることができない状態)に陥った患者さんに対して、心臓の代わりとなって全身に血液を送るための循環補助装置です。
非常に小型の心内留置型ポンプカテーテルで、大腿動脈(太ももの付け根)や鎖骨下の血管から心臓までカテーテルを挿入しますので、開胸手術は行われません。
より迅速に、そして患者さんへの侵襲が少なく、従来の循環補助装置よりも体への負担が少ないことが特徴となります。

◆仕組み◆

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IMPELLAポンプカテーテル

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IMPELLA制御装置

心原性ショックとは急性心筋梗塞や劇症型心筋炎など重症心不全により自己の機能が低下し、薬物療法や他の治療方法を行っても血圧が保てず、全身に十分な血流を送れなくなった状態です。
何らかの方法で心臓のポンプ機能の代替を行なわなければ死に至る極めて重篤な状態です。
心停止を来す状態でない場合でも、腎臓・肝臓・脳などの重要臓器へ十分な血流が送れていなければ臓器障害(腎不全・肝不全など)が進行することで死に至ってしまいます。

当院でのこれまでの治療に新たにインペラが加わることで、より多くの心原性ショック、重症心不全の患者さんの治療に役立て、地域医療に貢献できますよう、循環器内科、心臓血管外科、救急科、臨床工学技士、臨床検査技師、看護師が連携を図り診療に努めます。