平成29年度 徳山中央病院 病院指標

平成29年度 徳山中央病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

年齢階級別退院患者数

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年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1,250 269 345 588 735 951 2,189 3,133 2,136 449
解説:
 平成29年度の退院患者さんの年齢別構成です。
 一番多い年齢階級は70歳代の患者さんで、60歳以上の占める割合は65.6%と高齢の患者さんが増えてきています。
 当院では、幅広い年齢の方が入院されていますが、周産期母子医療センターの認定を受けており10歳未満の患者さんも全体の10.4%を占めています。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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小児科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) なし 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 238 6.48 6.18 3.78 0.00
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他)   副傷病:なし 127 5.82 5.94 0.79 1.74
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎   手術・処置等2:なし 73 3.85 5.50 0.00 3.34
040100xxxxx00x 喘息   手術・処置等2:なし 副傷病:なし 59 6.80 6.32 0.00 2.80
030270xxxxxxxx 上気道炎 56 4.70 4.84 0.00 2.18
解説:
 周南地域で入院を必要とする未熟児、新生児、小児のほぼすべてを受け入れています。
 地域の小児科医療機関と病診連携、病々連携を密にしています。また、院内外の医師及び看護師をはじめとするコメディカルの協力を得て、周南こどもQQ(休日・夜間こども急病センター)を運営しています。


外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 95 6.99 7.40 1.05 62.75
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍 あり 手術・処置等2:なし 47 14.87 12.35 0.00 71.23
060035xx01000x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 47 17.04 15.61 6.38 71.60
060010xx99x40x 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) なし 手術・処置等2:4あり 副傷病:なし 41 8.49 9.69 2.44 66.78
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 40 5.13 5.56 0.00 40.90
解説:
 食道・胃・大腸を始めとした消化管を中心に、また肝臓、胆管、膵臓領域や肺領域の悪性腫瘍も積極的に手術しております。
 近年、癌の治療は手術で終わりではなく、その後数年間の通院・治療が推奨されており、基本的には手術をした病院で診療を続けていくことになります。
 地域の方々が、徳山中央病院で手術前検査、手術、術後の治療を一貫して行い、完結できるように尽力しています。
 また治療内容も都市部と同等の治療ができるように各科との合同カンファレンスも定期的に行い常に最新の知見を取り入れた医療を提供するようにしています。
 最近では胆のう炎や鼠径ヘルニアに対してはほとんどの症例に対して、また癌患者においてもほとんどの早期癌症例と一部の進行癌症例に対しても美容的にも優れ侵襲の少ない腹腔鏡下手術を積極的に取り入れて行っています。術後の疼痛が少ないため患者さんの早期離床・早期退院に貢献できています。


整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 206 20.63 27.09 87.86 82.16
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 副傷病:なし 77 2.75 5.21 5.20 43.90
160720xx01xx0x 肩関節周辺の骨折脱臼 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿等 副傷病:なし 29 9.48 13.35 34.48 70.52
070343xx99x1xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 なし 手術・処置等2:1あり 28 2.00 2.93 0.00 69.82
160850xx97xx0x 足関節・足部の骨折・脱臼 その他の手術あり 副傷病:なし 28 12.57 9.49 25.00 53.36
解説:
 大腿骨近位部や手関節周辺の骨折は、転倒等の軽微な外傷で発生する高齢者に多い骨折です。特に大腿骨近位部骨折では、歩行等の機能回復のためには手術とリハビリが重要です。当院では主に手術と周術期管理を行っていますが、手術からリハビリまでしっかりと診療が継続できるよう、周辺医療機関と連携を行っています。
 脊椎疾患は、神経障害や痛みにより日常生活動作が著明に低下します。近年、骨粗鬆症や変形性変化による脊椎疾患の増加に伴い、手術症例が増加しています。


脳神経外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:4あり 副傷病:なし 重症度:発症前Rankin Scale 0、1又は2 75 17.39 16.38 53.33 72.13
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 48 12.65 9.68 12.50 76.92
010060x2990411 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:4あり 副傷病:1あり 重症度:発症前Rankin Scale 0、1又は2 35 17.77 18.34 45.71 78.71
010040x099x00x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 27 19.00 19.10 74.07 70.48
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 なし 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 21 10.24 7.34 28.57 65.19
解説:
 当院は地域の中核病院としての役割を担っており、救命救急センターを中心に、急性期の脳卒中を積極的に受け入れています。
 従って、発症3日以内の発症後間もない急性期の脳梗塞患者さんの割合や、交通事故による頭蓋・頭蓋内損傷の患者さんの割合が高くなっています。
 平均在院日数が全国平均に比べて、若干長くなっていますが、これは特に重症の患者さんや、他病院では診ることのできない合併症を有する患者さんの殆どが当院に緊急搬送されているためです。
 脳卒中や頭蓋内損傷を専門に治療する脳神経外科、神経内科の医師が365日、24時間、救急患者さんに対応できるシステムを採用しており、CT, MRI装置も常時、使用することが可能です。
 超急性期脳梗塞症例には、発症後4.5時間以内で実施可能なrt-PA(組織プラスミノーゲン・アクチベーター)を用いた急性期血栓溶解療法を積極的に行っており、29年度は33件施行しました。
 また、カテーテル治療による血栓回収療法も積極的に行っており、29年度は15件行いました。急性期のリハビリテーションにも力を入れており、脳卒中急性期から専任のリハビリスタッフによる訓練を積極的に開始しています。
 頭蓋・頭蓋内損傷の救急患者さんの緊急手術には麻酔医の協力も得られており、救急搬送後、早急な手術対応が可能です。


心臓血管外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2:なし 25 10.76 12.51 4.00 75.68
050080xx01010x 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:1あり 副傷病:なし 23 21.74 23.93 21.74 72.61
050050xx0101xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:1あり 12 19.92 23.29 16.67 71.17
050050xx0151xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術・処置等1:5あり 手術・処置等2:1あり - - 27.53 - -
050161xx97x10x 解離性大動脈瘤 その他の手術あり 手術・処置等2:1あり 副傷病:なし - - 28.04 - -
解説:
 心臓血管外科で扱う疾患は、心臓弁膜症、狭心症、大動脈瘤などです。いずれの疾患も薬物での治療が難しい患者さんが、心臓血管外科で手術を受けることになります。
 当院は、いずれの疾患にも対応可能な体制が整っており、緊急手術にも対応しています。平成29年度は動脈瘤および心臓弁膜症に対する治療が多く行われました。
 当科は、手術成績の向上のみならず、患者さんが退院してからの生活も考えて治療法を決定しています。術後の早期回復に重点をおいており、入院期間が全国平均よりも短いのが特徴です。


産婦人科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120010xx99x40x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 なし 手術・処置等2:4あり 副傷病:なし 108 2.77 5.02 0.00 66.56
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 84 8.31 9.75 0.00 34.25
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 81 9.33 9.91 1.23 44.94
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 なし 手術・処置等2:4あり 副傷病:なし 78 3.59 4.98 1.28 64.41
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 73 6.19 6.37 0.00 47.01
解説:
 産科と婦人科、ともに幅広い疾患に対応しています。婦人科悪性疾患の子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌に対しては手術だけでなく、抗がん剤や放射線治療を交えた集学的治療を施行しています。
 子宮や卵巣の良性腫瘍の場合、できるだけ低侵襲な治療として腹腔鏡下や子宮鏡下手術、経膣的手術といった開腹しない手術を心がけています。
 産科も地域周産期母子医療センターとして稼働しておりハイリスク妊娠や分娩など地域からの搬送を数多く受け入れています。
 緊急帝王切開時には麻酔科、手術室と連携し迅速に対応ができる体制をとっています。


眼科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020220xx97xxx0 緑内障 あり 重症度:片眼 32 11.16 8.51 0.00 71.91
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 あり 重症度:片眼 13 4.39 2.85 0.00 80.31
020160xx97xxx0 網膜剥離 あり 重症度:片眼 10 13.70 10.21 0.00 58.00
020280xx99xxxx 角膜の障害 なし - - 15.47 - -
020240xx97xxx0 硝子体疾患 あり 重症度:片眼 - - 6.63 - -
解説:
 白内障の入院は、片眼で2泊3日、両眼で4泊5日で行うことが多いので、平均するとこのような在院日数になります。
 緑内障や網膜剥離は、比較的遠方からの患者さんも多いため、長めの入院を希望されることが多いようです。
 網膜剥離の平均年齢が低いのは、比較的若年者にも発症することが多いためです。ほとんどの網膜剥離は、硝子体手術で対応しています。


耳鼻咽喉科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 58 7.34 8.01 0.00 16.81
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 なし 48 4.90 5.48 0.00 43.56
030390xx99xxxx 顔面神経障害 なし 42 11.76 9.45 0.00 58.52
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 32 6.69 7.23 0.00 53.88
030428xxxxxxxx 突発性難聴 31 12.39 9.18 0.00 61.84
解説:
 習慣性扁桃炎に対する扁桃摘出術及び主に小児の睡眠時無呼吸に対する扁桃腺摘出術、アデノイド切除術症例がもっとも多くなっています。
 扁桃、咽頭や喉頭の急性炎症はそのほとんどが緊急の入院です。顔面神経障害、突発性難聴等の神経障害もその多くは緊急入院です。
 周辺に耳鼻科常勤医を有する病院が少ないため、地域の緊急を有する耳鼻科領域疾患を積極的に受け入れています。
 顔面神経障害や、突発性難聴ではめまいを有する場合や、近年は糖尿病などの基礎疾患を有する患者さんも多く、若干入院期間が長くなっています。
 慢性副鼻腔炎は手術症例ですが、そのほとんどは内視鏡下の手術です。


放射線科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:4あり 副傷病:なし 20 19.95 11.99 0.00 69.35
040040xx99000x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 10 18.90 14.60 10.00 73.80
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 なし 手術・処置等1:あり 手術・処置等2:なし 10 4.90 3.59 0.00 72.30
010010xx99030x 脳腫瘍 なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:3あり 副傷病:なし - - 9.59 - -
040010xx99x3xx 縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2:3あり - - 11.54 - -
解説:
 当院では、肺癌の診断から治療までを連続して行っております。
 気管支鏡検査やCT下生検等による確定診断からPETによる病期診断、それぞれの病期に対するガイドラインに沿った治療を行っております。
 近年、分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害剤の使用も増加してきました。
 また、肺癌の治療中の合併症に対しても必要であれば入院にて対処しております。


神経内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:4あり 副傷病:なし 重症度:発症前Rankin Scale 0、1又は2 35 16.29 16.38 37.14 71.37
010110xxxxx40x 免疫介在性・炎症性ニューロパチー   手術・処置等2:4あり 副傷病:なし 21 28.43 16.95 28.57 58.76
010040x099x00x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 13 17.62 19.10 69.23 76.15
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:2あり 副傷病:なし 重症度:発症前Rankin Scale 0、1又は2 12 13.75 16.51 8.33 70.92
010060x2990411 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:4あり 副傷病:1あり 重症度:発症前Rankin Scale 0、1又は2 12 20.25 18.34 66.67 78.75
解説:
 当科は脳卒中(脳梗塞、脳出血)から、自己免疫性疾患、神経変性疾患、てんかんまで幅広い疾患を診療していることが特徴です。
 特に脳神経外科とは連携を密にとっており、脳梗塞超急性期の血栓溶解療法や血管内治療、脳出血は協力して診療にあたっています。
 パーキンソン病に関しては、外科的治療(脳深部刺激術)は他施設と共同で治療に当たっています。
 当院では入院しての評価、手術適応の検討を主に行っています。また、空腸投与用レボドパ・カルビドパ水和物配合剤であるデュオドーパの導入は当院で施行しています。
 免疫介在性ニューロパチーのような特殊な疾患に対しては、当院で神経生検を行っています。
 診断は山口大学神経内科に依頼し、診断に応じてステロイドや免疫抑制剤内服、免疫グロブリン点滴による治療をしています。


皮膚科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2:なし 32 6.31 8.50 0.00 79.63
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1:なし 14 2.00 4.14 0.00 65.71
080011xx99xxxx 急性膿皮症 手術なし 14 10.07 11.73 0.00 56.50
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 - - 8.95 - -
080110xxxxx0xx 水疱症   手術・処置等2:なし - - 29.24 - -
解説:
 基底細胞癌、ボーエン病、有棘細胞癌等の皮膚悪性腫瘍および粉瘤、脂肪腫、脂漏性角化症等の皮膚の良性新生物の摘出術に関し、手術当日の入院とし、病変部の範囲、術式により入院期間を判断し、早期退院を目指しています。
 帯状疱疹は、パスに従い、抗ウイルス剤投与期間を検討し、入院期間の短縮を考慮しています。


泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:なし 160 6.45 7.31 0.63 74.93
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 なし 副傷病:なし 52 12.06 12.34 3.85 74.33
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 44 10.71 12.23 0.00 71.84
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 41 9.81 8.50 2.44 67.73
110080xx01x0xx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 手術・処置等2:なし 39 12.92 12.92 0.00 68.33
解説:
 当科では、泌尿器外科と腎臓内科に関連した行いますので、膀胱癌や前立腺癌の手術症例や内シャント造設術の症例が多く、次いで、尿路感染症や保存期腎不全の治療なども行っています。


循環器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 なし 手術・処置等1:1あり 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 227 2.68 3.03 0.44 70.17
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1:なし、1,2あり 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 218 4.31 4.62 2.29 71.07
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2:なし 133 5.09 5.30 0.75 65.19
050130xx99000x 心不全 なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 106 13.86 17.71 9.43 79.43
050210xx97000x 徐脈性不整脈 あり 手術・処置等1:なし、1,3あり 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 67 10.94 11.21 1.49 78.75
解説:
 最も多いのは虚血性心疾患(狭心症と心筋梗塞)ですが、その他心不全、不整脈においてもハイレベルかつ専門的な診療を行っています。
 虚血性心疾患(狭心症と心筋梗塞)は動脈硬化による疾患ですので高齢化及び食事の欧米化などにより増加しています。
 また頻脈性不整脈が増加していますが、心房細動がカテーテルアブレーションで治療できるようになったためです。
 心不全症例も虚血性心疾患をベースにした症例が増加したためと考えられ、徐脈性不整脈の増加は主に高齢化が原因と考えられます。


救急科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒)   手術・処置等2:なし 副傷病:なし 24 3.25 3.58 4.17 47.13
180010x0xxx2xx 敗血症(1歳以上)   手術・処置等2:2あり 23 45.78 34.78 47.83 74.96
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 なし 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 21 26.71 20.83 57.14 79.43
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 なし 副傷病:なし 17 13.35 12.34 23.53 80.29
161060xx99x0xx 詳細不明の損傷等 なし 手術・処置等2:なし 15 2.13 4.01 0.00 54.53
解説:
 救急科で対応する疾患は多岐にわたり、中毒、多発外傷、重症感染症などが多いです。
 多発外傷は疾患群分類においては「多発外傷」ではなく、個別の骨折、臓器損傷の診断名として扱われることが多いため、症例数としては上位には入り難いです。
 どんな患者さんでも受け入れるという救急対応の中では、高齢者の割合が圧倒的に多く、その中でも全身状態の悪い方が入院となっています。
 誤嚥性肺炎も救急科が対応する症例の中では多く、平均年齢も高くなっています。


血液・内分泌内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x40x 非ホジキンリンパ腫 なし 手術・処置等2:4あり 副傷病:なし 39 27.97 16.48 0.00 70.69
130030xx99x50x 非ホジキンリンパ腫 なし 手術・処置等2:5あり 副傷病:なし 29 24.07 13.89 0.00 65.93
100070xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) なし 手術・処置等2:1あり 副傷病:なし 重症度:85歳未満 25 15.28 14.27 0.00 67.12
130010xx97x2xx 急性白血病 あり 手術・処置等2:2あり 22 63.23 40.97 9.091 62.86
130060xx99x4xx 骨髄異形成症候群 なし 手術・処置等2:4あり 13 9.15 10.60 0.00 72.77
解説:
【血液内科】
・悪性リンパ腫、急性白血病、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫などに対し、血液専門医による指導・管理の下、新薬も駆使しながら主に急性期治療としての化学療法を施行しています。
・患者さんの高齢化、合併症の増加に伴い、外来治療への移行が困難な症例が多い中、治療中の短期間退院や後方病院への転院を治療計画へ積極的に取り入れることで在院日数の短縮に努めている。

【糖尿病・内分泌内科】
・1型糖尿病、2型糖尿病に対する教育入院で合併症の評価(他科紹介を含む)、食事・生活指導、治療内容の開始・追加・変更などを他職種の医療スタッフに介入にて実施しています。
・インスリン治療の患者さんを対象に、必要時CGM(持続血糖測定)も利用。ケトアシドーシスなどの急性代謝失調、合併症の増悪、感染などの併発、妊娠糖尿病については、重症度により他科もしくは自科にて入院加療を行っています。
・バセドウ病については、甲状腺クリーゼなどの重度の甲状腺中毒症状時の急性期治療を入院管理の下に実施しています。
・下垂体・副腎などの内分泌疾患については、主に負荷試験を短期入院にて実施しています。


消化器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 188 9.48 10.60 5.85 74.84
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 手術・処置等2:なし 74 7.00 11.40 0.00 74.15
060140xx97x00x 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの) その他の手術あり 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 66 10.85 10.70 6.06 70.61
060020xx04x0xx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 手術・処置等2:なし 61 8.85 8.70 3.28 70.43
060102xx99xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 なし 48 7.42 7.90 2.08 64.48
解説:
 地域の拠点病院で、救急医療にも力を入れているため、多くの消化器疾患領域の急性疾患患者さんに対応しています。
 特に、緊急を要する内視鏡的胆道ドレナージ術や内視鏡的止血術等の特殊な内視鏡的処置に関してもコ・メディカルの協力の下、夜間休日問わず積極的に行っているため総胆管結石性胆管炎や消化管出血の患者さんの緊急入院が多くなっております。
 また、救急疾患だけでなく、内視鏡的手技が必要な早期胃癌や膵癌・胆道癌、経カテーテル的治療や経皮的治療が必要な肝臓癌等の悪性疾患も地域の病院より紹介を受け、入院患者さんが多くなっています。
 その中でも早期胃癌の患者さんは昨年と比較して増加しております。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

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初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 78 19 13 33 17 21 1 第7版
大腸癌 30 42 26 29 35 19 1 第7版
乳癌 34 16 - - 10 - 1 第7版
肺癌 34 - 10 41 16 47 1 第7版
肝癌 - 16 12 22 - 95 2 第5版

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

解説:
 当院は、検診、診断、治療を一貫として行っており、がんの早期発見にも努めています。
 また、内視鏡・体腔鏡下による低侵襲治療を積極的に行っており、化学療法、放射線治療、緩和的治療も努めています。
 集計表にはありませんが、入院治療以外にも、外来化学療法、放射線療法も行っています。
 集計表は、UICC病期分類から導かれるステージ別病期分類を集計したものです。
※ 大腸癌、肝癌の病期分類基準は、UICCと異なるため、癌取り扱い規約となります。
■ 5大がん:胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝がんの主要5部位です。
■ UICC病期分類:国際対がん連合の世界共通の分類です。
■ 癌取り扱い規約:日本で編集されている規約で、臓器別に数年おきの改訂が行われています。
■ 初発:患者さんがどの段階(ステージ別、0期を除く)で入院・治療されたかを示します。初回治療の段階で、化学療法、緩和的治療等で入院を繰り返す場合は、延べ患者数となっています。
■ 再発:初回治療終了後に再発、再燃、増悪、新たな遠隔転移を来した場合で、初発同様に延べ患者数となっています。
■ 不明:入院された段階で病期が不明、または確定前に退院された場合となります。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

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患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 38 12.21 55.53
中等症 141 16.14 78.49
重症 20 13.30 84.70
超重症 27 12.04 75.07
不明 - - -
解説:
 ご高齢の方になるほど、重症度も高くなる傾向があります。
 ご高齢の方では、肺炎の病態が、ある程度改善しても自宅退院が難しいということも珍しくありません。
 そのような場合には、地域の病院と連携して、長期療養が可能な病院への転院をご相談させていただいています。

脳梗塞の患者数等

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発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 311 20.41 75.52 52.09
その他 11 40.55 76.18 45.46
解説:
 当院は地域の中核病院としての役割を担っているため、急性期の脳卒中患者さんは積極的に受け入れています。従って全脳梗塞患者さんに占める、発症3日以内の急性期脳梗塞患者さんの割合が非常に高くなっています。
 28年度は92.2%であったのに対し、29年度は96.6%と更に高くなっています。
 また発症3日以内に入院した患者数も28年度が271名であったのに対して、29年度は311名と大幅に増加しています。
 一方、当院から退院への転院率は、発症3日以内の脳梗塞患者さんでは52.9%と高率となっています。
 これは、平均年齢の高齢化(28年が74.1歳に対して、29年は75.5歳)による影響も考えられますが、直接自宅へ退院することのできない重症の患者さんを主に当院が受け入れていることが主因と考えています。
 そして、この傾向は今後も更に顕著になるものと推察しています。
 当院では、急性期脳卒中を専門に治療する脳神経外科や神経内科の医師が、365日、24時間対応できるシステムを採用しており、CTやMRI装置も常時、稼働することが可能です。超急性期脳梗塞患者さんには、4.5時間以内に実施可能なrt-PA(組織プラスミノーゲン・アクチベーター)を用いた急性期血栓溶解療法を29年度は33名の患者さんに行っています。
 またカテーテル治療による、血栓回収術も29年度には15名に行っています。
 更に当院では、脳梗塞超急性期からのリハビリテーションにも力を入れており、脳卒中専任の理学療法士、作業療法士、言語療法士を配しており、積極的に訓練を行っています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 132 0.82 4.93 1.52 64.61
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 95 0.28 2.54 2.11 67.16
K7193 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術 56 5.59 23.23 25.00 73.13
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの 40 0.48 3.50 0.00 40.78
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの 37 1.78 16.38 0.00 71.49
解説:
 食道・胃・大腸を始めとした消化管を中心に、また肝臓、胆管、膵臓領域や肺領域の悪性腫瘍も積極的に手術しております。
 近年、癌の治療は手術で終わりではなく、その後数年間の通院・治療が推奨されており、基本的には手術をした病院で診療を続けていくことになります。
 地域の方々が、徳山中央病院で手術前検査、手術、術後の治療を一貫して行い、完結できるように尽力しています。
 最近では胆のう炎や鼠径ヘルニアに対してはほとんどの症例に対して、また癌患者さんにおいてもほとんどの早期癌症例と一部の進行癌症例に対しても美容的にも優れ侵襲の少ない腹腔鏡下手術を積極的に取り入れて行っています。術後の疼痛が少ないため患者さんの早期離床・早期退院に貢献できています。


整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 169 2.69 14.46 76.33 79.38
K0462 骨折観血的手術(下腿) 87 2.10 9.59 29.89 60.33
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 84 3.35 15.75 84.52 80.60
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 椎弓形成 50 2.36 15.52 28.00 73.40
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕) 44 0.23 6.30 2.27 40.25
解説:
 骨折に対しては、変形治癒や関節拘縮等の機能障害が予想される場合や、早期機能回復や臥床、安静に伴う合併症の予防を目的として、健康状態の許す限り、手術を行います。
 脊椎疾患では、低侵襲化の導入や脊椎固定の併用により、早期離床、機能回復に取り組んでいます。


脳神経外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 51 1.39 13.84 19.61 78.69
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術 その他のもの 29 4.03 28.83 17.24 62.59
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング 1箇所 27 1.11 34.78 48.15 63.63
K164-5 内視鏡下脳内血腫除去術 13 1.92 30.15 100.00 69.23
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 10 6.10 9.40 10.00 77.30
解説:
 慢性硬膜下血腫は、どこの脳神経外科施設においても多く治療している疾患です。
 当院では他施設からの紹介も多く、慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術は最も件数の多い手術となっています。
 平均在院日数が術後13.84日と長くなっていますが、これは急性硬膜下血腫で入院し、慢性硬膜下血腫に移行後に手術を行った患者さんや、重度の合併症を有する患者さんが含まれているためで、殆どの患者さんは手術後7日以内に退院されています。
 くも膜下出血の原因である脳動脈瘤の根治手術である、脳動脈瘤頸部クリッピング術は積極的に行っています。
 未破裂脳動脈瘤の手術は患者さんとの、十分なインフォームド・コンセントに基づき行っています。術後、平均在院日数が34.78日と昨年(29.12日)より長くなっていますが、これは29年度の入院患者さんに重症な方が多く含まれていたからです。
 未破裂脳動脈瘤の方の手術後の平均在院日数は8日以内となっています。
 良性、悪性を含めて頭蓋内腫瘍摘出術も29例行っています。28年度は18例でしたが、大幅に増加しています。
 術後の在院日数が28.8日となっていますが、悪性腫瘍では術後に放射線治療や抗がん剤治療を行うため、在院日数が長くなります。
 いずれの疾患に対しても術後早期から、専任のリハビリスタッフによる機能回復訓練を行っています。


心臓血管外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺を使用しないもの) 2吻合以上のもの 20 5.05 14.60 15.00 68.95
K5551 弁置換術 1弁のもの 19 3.37 17.32 26.32 76.53
K5612 ステントグラフト内挿術 腹部大動脈 16 1.94 9.25 6.25 76.50
K5611 ステントグラフト内挿術 胸部大動脈 - - - - -
K5541 弁形成術 1弁のもの - - - - -
解説:
 平成29年度もっとも多い手術は冠動脈バイパス術でした。
 ほとんどの症例で人工心肺を使用しない、いわゆるオフポンプCABGを行っています。
 低侵襲で体に対する負担が少ないのが特徴です。術後の回復が早く、多くの患者さんは2週間程度で自宅退院されます。
 オフポンプCABGを受けた患者さんの術後入院期間は平均14.6日でした。その他には心臓弁膜症に対する手術や動脈瘤に対するステントグラフト治療など、心 臓血管外科領域の手術を幅広く行っています。


産婦人科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 腹腔鏡によるもの 106 0.99 4.23 0.00 42.92
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 104 4.79 6.20 0.00 33.74
K877 子宮全摘術 60 1.25 7.47 1.67 52.33
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 60 1.02 4.20 0.00 48.40
K867 子宮頸部(腟部)切除術 47 1.00 1.00 0.00 42.77
解説:
 腹腔鏡下手術は年々増加しており、現在では婦人科手術の最も多い手術になっています。
 良性の卵巣腫瘍はほぼ腹腔鏡下に施行し、子宮筋腫や腺筋症に対する子宮全摘術も可能な限り腹腔鏡下に施行しています。
 また当院は地域周産期母子医療センターで数多くのハイリスク妊娠を取扱っています。
 そのため選択的帝王切開や緊急帝王切開率は高いものとなっています。
 帝王切開は下腹部横切開で施行し、術後の痛みが少なく術創が目立たないようにしています。
 子宮頸がんの初期病変である高度異形成や上皮内癌に対して行う円錐切除術も多く施行しています。


眼科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 262 0.03 2.80 0.76 75.06
K2683 緑内障手術 濾過手術 30 0.00 10.67 0.00 73.17
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術 その他のもの 15 0.00 9.60 0.00 65.80
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの 11 0.00 7.91 0.00 66.45
K239 眼球内容除去術 5 0.60 13.00 20.00 84.00
解説:
 水晶体再建術は、昨年と同程度の数となっています。
 緑内障手術は、最近、低侵襲緑内障手術が話題となっていますが、当院では手術対象となるのが緑内障末期の症例が多いため、濾過手術を多く行っています。
 眼球内容除去術は、眼内炎や眼球破裂などの症例に施行していますが、今年度は認知症患者さんの外傷や、発見が遅れた感染症などがほとんどでした。


耳鼻咽喉科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 51 0.00 7.16 0.00 21.88
K340-4 内視鏡下鼻・副鼻腔手術II型(副鼻腔単洞手術) 26 0.00 5.62 0.00 55.73
K3892 声帯ポリープ切除術(直達喉頭鏡) 17 0.24 4.00 0.00 68.59
K6261 リンパ節摘出術 長径3センチメートル未満 17 0.00 1.06 0.00 58.88
K4571 耳下腺腫瘍摘出術 耳下腺浅葉摘出術 15 0.13 6.73 0.00 64.47
解説:
 手術治療は術前に検査、説明を行い、当日の入院を基本としていますが、持病お持ちなど患者さんなど手術前の治療や管理を要する時は手術日前の入院となります。
 習慣性扁桃炎に対する扁桃摘出術及び主に小児の睡眠時無呼吸に対する扁桃腺摘出術、アデノイド切除術症例がもっとも多くなっています。
 次いで内視鏡下の鼻副鼻腔手術、頚部の良性疾患に対する手術と続きますが、慢性中耳炎に対する耳科手術、頚部の悪性腫瘍手術等耳鼻咽喉科領域全般の手術を行っています。


皮膚科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術 単純切除 36 0.08 4.94 0.00 79.11
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 長径2センチメートル未満 - - - - -
K0022 デブリードマン(100cm2以上3000cm2未満) - - - - -
K0021 デブリードマン(100cm2未満) - - - - -
K726 人工肛門造設術 - - - - -
解説:
 基底細胞癌、ボーエン病、有棘細胞癌等の皮膚悪性腫瘍切除術においては手術当日入院とし、病変の大きさ、術式により入院期間を判断し、早期退院を目指しています。


泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 169 1.59 4.56 1.18 74.89
K610-3 内シャント又は外シャント設置術 70 5.33 11.07 2.86 64.46
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 39 1.05 10.87 0.00 68.33
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 32 1.69 3.44 0.00 69.75
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 24 1.00 9.04 0.00 71.29
解説:
 膀胱癌の治療としては、経尿道的手術が多く、腫瘍切除後、非浸潤性癌については、術後膀胱内抗癌剤注入治療を、再発予防のため行います。
 末期腎不全の透析導入のために、内シャント造設術も当科で行います。
 前立腺癌の手術は、ほぼ全例、ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘出術を、腎癌、腎盂尿管癌の手術は腹腔鏡下手術を行います。
 なお、結石に対するESWLは外来治療としています。


循環器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 178 1.12 3.21 3.37 70.48
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの 95 1.63 2.27 0.00 64.17
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術 不安定狭心症に対するもの 76 0.13 10.57 2.63 70.58
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術 急性心筋梗塞に対するもの 56 0.00 14.27 0.00 71.63
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 52 1.06 2.08 9.62 72.17
解説:
 最も多いのは虚血性心疾患(狭心症と心筋梗塞)に対する経皮的冠動脈ステント留置術です。
 開胸することなく低侵襲で治療でき、今後も増加するものと考えられます。
 また血管内超音波法、光干渉断層法、血流予備量比等を駆使して最適な治療を心がけています。
 難治性の患者さんに対してもロータブレーター、エキシマーレーザーアテレクトミー等の最先端の医療器具を駆使して治療を行っています。
 不整脈についてもエンサイト等の最新鋭の機器を駆使しカテーテルアブレーション(経皮的カテーテル心筋焼灼術)による根治術を行っています。
 特に最近は心房細動に対する経皮的カテーテル心筋焼灼術が増加しています。
 閉塞性動脈硬化症に対する四肢の血管拡張術・血栓除去術に関しても最新の機器を駆使して適切な治療を行っています。


消化器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 184 1.26 11.47 9.78 75.63
K654 内視鏡的消化管止血術 62 0.61 9.44 6.45 70.29
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 61 0.08 3.95 0.00 74.69
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術 59 0.19 7.59 1.69 70.27
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの) 58 1.00 9.29 18.97 70.14
解説:
 主要手術の上位5位までに内視鏡的胆道ステント留置術と内視鏡的乳頭切開術の2つの胆膵領域に関連する内視鏡的手術が入っております。
 胆石、膵癌、胆道癌などで胆管が狭窄した際にプラスチックや金属メッシュのチューブをいれて、胆汁の通り道を確保するための手術です。
 これらの内視鏡的手術は特殊性が高く、この地域では、専門医が揃っている当院に集中しています。
 肝臓癌に対する経カテーテル治療である血管塞栓術(肝動脈化学塞栓術)や早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術についても消化器内科医の増員もあり、件数が増加しています。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

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DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 42 0.35
180010 敗血症 同一 36 0.30
異なる 45 0.37
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 61 0.51
異なる 31 0.26
解説:
 DIC(播種性血管内凝固症候群)は重症感染症・敗血症に合併し、死に至る危険性が高い病態です。
 近隣の病院で重症感染症・敗血症と診断された患者さんが、地域の基幹病院である当院へ紹介入院となることが多いです。
 また、入院時には肺炎、腎盂腎炎の感染症と診断されていても、病状が悪化して、敗血症、DICへと病態が進展する患者さんも少なくありません。
 特にご高齢の方や、もともと基礎疾患をお持ちの患者さんでは軽い感染症から敗血症に進展することは珍しくなく、入院時にリスクについても説明させていただいております。

更新履歴

2018年9月28日 平成29年度徳山中央病院病院指標を公表しました