令和2年度 徳山中央病院  病院指標

令和2年度 徳山中央病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

年齢階級別退院患者数

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年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 789 260 313 502 807 1,026 1,883 3,371 2,235 454

解説:
令和2年度の退院患者さんの年齢別構成です。
1番多い年齢階級は70歳代の患者さんで、60歳以上の占める割合は68.2%と高齢の患者さんが増えてきています。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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小児科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2:なし 202 8.00 6.13 0.99 0.00
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2:なし 58 15.71 11.19 0.00 0.00
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他)   副傷病:なし 40 5.45 6.47 2.50 2.95
080270xxxx1xxx 食物アレルギー   手術・処置等1:あり 29 1.03 2.12 0.00 4.34
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 27 4.85 7.48 3.70 7.07
解説:
母体糖尿病、母体甲状腺機能異常、母体GBSキャリア、母体発熱、破水から24時間以上経過して出生、母体血小板減少、母体不規則抗体陽性など、それぞれのクリニカルパスに従って網羅的に新生児の予想される異常を見逃さないように対応しています。
低出生体重児の出生後には、呼吸障害・低血糖・哺乳障害などを合併しやすく血糖や酸素モニターでの管理が必要です。必要に応じて治療を行います。
予防接種の普及で感染症での入院は減少傾向ですが、RSウイルス感染を初めとする気道感染症は乳幼児・小児の入院を要する代表的疾患です。必要に応じて輸液・抗菌薬・酸素投与等で治療します。
食物アレルギーでのアナフィラキシーに際しては入院での経過観察を要する場合があります。また、食物アレルギーに対する食物負荷試験を日帰り入院または1泊入院で行っています。これにより過剰な食物制限を解除し少しずつ食べられる種類や量を増やしていきます。
痙攣重積発作や痙攣後の意識障害が見られる際は入院での厳重な経過観察が必要です。てんかんは管理が長期になることから、正確な診断のために、ビデオ付き脳波計による終日脳波検査での検査入院を行っています。

外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 104 3.50 4.86 0.96 70.44
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1:なし 副傷病:なし 85 18.98 16.19 2.35 71.68
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1:なし 72 7.76 10.30 1.39 62.28
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 56 6.00 6.41 1.79 64.32
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 53 13.81 10.83 1.89 72.64
解説:
食道・胃・大腸を始めとした消化管領域を中心に、肝臓、胆管、膵臓、肺、乳腺領域の悪性腫瘍(癌や肉腫)を積極的に手術しています。近年、癌の治療は手術で終わりではなく、その後5(~それ以上)年間の通院・治療が推奨されており、基本的には手術を受けた病院で診療を続けていくことになります。地域の方々が、JCHO徳山中央病院で手術前検査、手術、術後の治療を一貫して行い、完結できるように尽力しています。
また治療内容も都市部と同等の治療ができるように他科との合同カンファレンスも定期的に行い、各領域の学会に参加し常に最新の知見を取り入れた医療を提供するようにしています。
胆石症、鼠径ヘルニアなどの良性疾患や、急性期疾患(急性虫垂炎など)の手術にも対応しています。消化管、呼吸器領域の悪性腫瘍(早期癌症例と一部の進行癌症例)に対して侵襲の少ない腹腔鏡下あるいは胸腔鏡下手術を積極的に行っています。術後の疼痛が少ないため患者さんの早期離床・早期退院に貢献できています。また、入院と同時に開始するがんリハビリテーションを導入し、早期退院に寄与しています。

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 209 20.36 25.09 88.52 81.99
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 副傷病:なし 69 2.25 5.18 1.45 59.57
070343xx99x1xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 手術なし 手術・処置等2:1あり 51 2.06 2.68 0.00 70.75
160850xx01xxxx 足関節・足部の骨折・脱臼 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他等 46 12.17 18.74 32.61 51.80
070341xx020xxx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 頸部 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術・処置等1:なし 29 18.62 19.90 44.83 70.93
解説:
大腿骨近位部や手関節周辺の骨折は、転倒等の軽微な外傷で発生する高齢者に多い骨折です。特に大腿骨近位部骨折では、歩行等の機能回復のためには手術とリハビリが重要です。当院では主に手術と周術期管理を行っていますが、手術からリハビリまでしっかりと診療が継続できるよう、周辺医療機関と連携を行っています。
脊椎疾患は、神経障害や痛みにより日常生活動作が著明に低下します。近年、骨粗鬆症や変形性変化による脊椎疾患の増加に伴い、手術症例が増加しています。

脳神経外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:4あり 副傷病:なし 重症度:発症前Rankin Scale 0、1又は2 71 16.54 15.64 46.48 68.76
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 50 14.24 9.68 26.00 80.14
010060x2990411 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:4あり 副傷病:1あり 重症度:発症前Rankin Scale 0、1又は2 21 20.24 17.35 61.90 77.86
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 20 20.30 18.86 70.00 68.40
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 19 11.58 7.48 31.58 61.11
解説:
当院は周南二次医療圏の中核病院として、超急性期の脳卒中患者さんや頭部外傷患者さんを積極的に受け入れています。従って、発症3日以内の発症後間もない急性期の脳梗塞患者さんの割合や、交通事故による頭蓋・頭蓋内損傷の患者さんの割合が高くなっています。2020年度は発症3日以内、かつJCS 10未満の脳梗塞患者さんの平均在院日数が全国平均に比べて同等か、若干長くなっています。これはこの群の患者さんの平均年齢が高齢化しているためと考えています。脳卒中患者さん全体では、重症の患者や、他病院では診ることのできない合併症を有する患者の殆どが当院に緊急搬送されているため、平均在院日数が全国平均よりも長くなる傾向にありますが、搬入直後からの、積極的な治療と、機能回復訓練を実施することにより、早期の回復を目指しています。脳卒中や頭蓋内損傷を専門に治療する脳神経外科、脳神経内科の医師が365日、24時間、救急患者に対応できるシステムを構築しており、CT, MRI装置を常時、稼働することが可能です。超急性期脳梗塞症例には、発症後4.5時間以内で実施可能なrt-PA(組織プラスミノーゲン・アクチベーター)を用いた急性期血栓溶解療法を積極的に行っています。また機能回復訓練にも力を入れており、脳卒中急性期から専任のリハビリスタッフによる訓練を積極的に開始しています。頭蓋・頭蓋内損傷の救急患者の緊急手術には麻酔医の協力も得られており、救急搬送後、早急な手術対応が可能です。非外傷性頭蓋内出血患者さんの転院率が70%と高率になっていますが、これは入院時に高度の麻痺を伴っている方が多いからです。当院は、近隣の回復期リハビリテーション病院と密接な関係を築いており、入院中に麻痺が完全に回復されなかった患者さんには、地域連携を介して個々の状態や、ご本人やご家族の希望に沿った回復期病院を紹介しています。

心臓血管外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050080xx0101xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:1あり 35 22.20 22.56 5.71 73.97
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2:なし 26 9.31 11.56 0.00 77.42
050163xx01x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術等 手術・処置等2:1あり - - 28.61 - -
050050xx0151xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術・処置等1:5あり 手術・処置等2:1あり - - 26.48 - -
050163xx03x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2:1あり - - 15.88 - -
解説:
心臓血管外科で扱う疾患は、心臓弁膜症、狭心症、大動脈瘤などです。いずれの疾患も薬物での治療が難しい患者さんが、心臓血管外科で手術を受けることになります。当院は、いずれの疾患にも対応可能な体制が整っており、緊急手術にも対応しています。令和2年度は心臓弁膜症および動脈瘤に対する治療が多く行われました。当科は、手術成績の向上のみならず、患者さんが退院してからの生活も考えて治療法を決定しています。術後の早期回復に重点をおいており、入院期間が全国平均よりも短いのが特徴です。

産婦人科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 104 6.13 6.10 0.00 47.09
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 81 9.11 9.45 0.00 34.69
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2:4あり 副傷病:なし 76 3.43 4.44 0.00 64.38
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 60 6.15 6.16 0.00 44.77
120010xx99x70x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2:7あり 副傷病:なし 58 3.34 4.24 0.00 59.60
解説:
産科と婦人科、ともに幅広い疾患に対応しています。婦人科悪性疾患の子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌に対しては手術だけでなく、抗がん剤や放射線治療を交えた集学的治療を施行しています。子宮や卵巣の良性腫瘍の場合、できるだけ低侵襲な治療として腹腔鏡下や子宮鏡下手術、経膣的手術といった開腹しない手術を心がけています。産科も地域周産期母子医療センターとして稼働しておりハイリスク妊娠や分娩など地域からの搬送を数多く受け入れています。緊急帝王切開時には麻酔科、手術室と連携し迅速に対応ができる体制をとっています。

眼科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 重症度:片眼 177 3.04 2.76 0.56 75.08
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 重症度:両眼 89 5.13 4.95 0.00 78.37
020220xx01xxx0 緑内障 緑内障手術 濾過手術 重症度:片眼 26 11.12 9.79 0.00 74.15
020220xx97xxx0 緑内障 その他の手術あり 重症度:片眼 10 8.20 5.79 0.00 69.80
020250xx97xxxx 結膜の障害 手術あり - - 3.22 - -
解説:
白内障は通院が可能な方は日帰り手術を行っていますが、どちらかというと入院を希望される方が多く、入院の場合、片眼2泊3日、両眼で4泊5日の入院を基本としています。緑内障の場合、濾過手術は、ある程度状態が落ち着くまで様子を見るため、比較的長めの入院となります。低侵襲緑内障手術の場合はもう少し入院期間が短くなります。

耳鼻咽喉科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030428xxxxxxxx 突発性難聴   41 13.95 8.81 0.00 61.66
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患   36 8.19 7.94 0.00 16.08
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 34 5.00 5.63 0.00 41.74
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1:あり 26 2.00 2.04 7.69 51.46
100020xx010xxx 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術 切除(頸部外側区域郭清を伴わないもの)等 手術・処置等1:なし 25 8.84 8.50 0.00 56.80
解説:
扁桃・アデノイドの手術は成人では 習慣性扁桃炎に対する扁桃摘出術ですが、小児では睡眠時無呼吸の治療として扁桃腺摘出術、アデノイド切除術を行う事も多くこのため平均年齢も18才と低くなっています。睡眠時無呼吸は自覚しないことが多いため、検査のきっかけとなるのは家人から指摘された場合や、高血圧で内科に受診したり、心筋梗塞などで入院治療を行った際に医療者より指摘される場合が多いです。簡易検査は外来でも可能ですが、精密検査では1泊入院の検査となります。耳鼻咽喉科で緊急入院となるのは扁桃、咽頭や喉頭の急性炎症と突発性難聴や顔面神経麻痺などの神経の病気です。周辺に耳鼻科常勤医を有する病院が少ないため、地域の緊急を有する耳鼻科領域疾患を積極的に受け入れています。顔面神経障害や、突発性難聴は患者さんやめまいを有する場合や、糖尿病などの基礎疾患を有する患者さんも多く、若干入院期間が長くなっています。

放射線科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:なし 13 12.15 13.30 0.00 74.54
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:4あり 副傷病:なし - - 9.42 - -
040040xx99060x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:6あり 副傷病:なし - - 15.31 - -
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1:あり 手術・処置等2:なし - - 3.39 - -
040040xx99041x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:4あり 副傷病:あり - - 15.61 - -
解説:
肺癌の検査(主として気管支鏡検査)、治療(化学療法・放射線治療・両者の併用)のための入院を行っています。また合併症併発の場合必要あれば入院にて治療を行っています。

脳神経内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:4あり 副傷病:なし 重症度:発症前Rankin Scale 0、1又は2 24 15.75 15.64 37.50 70.83
010110xxxxx4xx 免疫介在性・炎症性ニューロパチー   手術・処置等2:4あり 16 19.19 16.95 12.50 57.63
010080xx99x0x1 脳脊髄の感染を伴う炎症 手術なし 手術・処置等2:なし 重症度:15歳以上 11 30.91 17.00 36.36 52.82
010160xx99x00x パーキンソン病 手術なし 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 10 16.40 18.20 50.00 74.30
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 10 9.70 7.48 10.00 54.50
解説:
当科は脳卒中(脳梗塞・脳出血)から、自己免疫性神経疾患(自己免疫性脳炎、多発性硬化症、末梢神経障害、筋炎など)、てんかん、認知症などの神経変性疾患、神経感染症まで幅広く診療していることが特徴です。
特に脳神経外科とは緊密に連携を行っており、脳梗塞超急性期の血栓溶解療法や血管内治療、脳出血は協力して診療に当たっています。

内科系から外科系までシームレスに神経疾患の検索・治療が行われています。
パーキンソン病の治療の中でも脳深部刺激術は他施設と共同で治療に当たっています。
当院では手術前の評価を中心に行っています。
自己免疫の関与する末梢神経障害や筋疾患での組織生検は山口大脳神経内科と共同して検査に当たっています。
診断に際してはセカンドオピニオンも積極的に行っています。

皮膚科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2:なし 23 6.00 7.71 0.00 73.78
080010xxxx0xxx 膿皮症   手術・処置等1:なし 22 16.14 12.87 18.18 65.77
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1:なし 11 2.91 4.06 0.00 56.55
161000x199x0xx 熱傷・化学熱傷・凍傷・電撃傷(Burn Index10未満) 手術なし 手術・処置等2:なし - - 12.57 - -
161000x299x0xx 熱傷・化学熱傷・凍傷・電撃傷(Burn Index10以上) 手術なし 手術・処置等2:なし - - 17.92 - -
解説:
基底細胞癌、ボーエン病、有棘細胞癌等の皮膚悪性腫瘍および粉瘤、脂肪腫、脂漏性角化症等の皮膚の良性新生物の摘出術に関し、手術当日の入院とし、病変部の範囲、術式により入院期間を判断し、早期退院を目指しています。帯状疱疹は、パスに従い、抗ウイルス剤投与期間を検討し、入院期間の短縮を考慮しています。

泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2:なし 156 6.70 7.13 0.64 74.99
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 72 11.36 13.00 5.56 73.72
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 50 11.06 11.89 0.00 68.74
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 45 7.62 8.15 0.00 69.80
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:なし 35 19.23 11.04 14.29 69.31
解説:
当科では泌尿器外科と腎臓内科の治療に携わっております。
膀胱癌や前立腺癌の手術症例は多く、また、保存期腎不全及び透析療法、腎移植術を行っています。

循環器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1:なし、1,2あり 手術・処置等2:なし 195 4.51 4.44 0.51 71.99
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1:1あり 手術・処置等2:なし 195 2.48 3.07 0.00 71.66
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2:なし 189 4.05 4.95 1.06 65.81
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1:なし、1,3あり 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 100 10.54 10.56 5.00 79.58
050130xx9900xx 心不全 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:なし 88 16.30 17.23 19.32 83.07
解説:
最も多いのは虚血性心疾患(狭心症と心筋梗塞)ですが、その他心不全、不整脈においてもハイレベルかつ専門的な診療を行っています。虚血性心疾患(狭心症と心筋梗塞)は動脈硬化による疾患ですので高齢化及び食事の欧米化などにより増加しています。また頻脈性不整脈が増加していますが、心房細動がカテーテルアブレーションで治療できるようになったためです。、徐脈性不整脈の増加は主に高齢化が原因と考えられます。心不全症例も虚血性心疾患をベースにした症例が増加したためと考えられます。

救急科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 13 20.38 13.00 15.38 79.31
180010x0xxx2xx 敗血症(1歳以上)   手術・処置等2:2あり 13 37.08 32.44 30.77 74.85
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2:なし 12 26.58 20.51 50.00 82.58
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒)   手術・処置等2:なし 副傷病:なし 12 3.17 3.81 16.67 54.42
100380xxxxxxxx 体液量減少症   11 15.27 10.51 36.36 81.55
解説:
 救急科で対応する疾患は多岐にわたりますが、その中では重症感染症、敗血症症例が多いです。救急患者さんとして典型的な多発外傷の場合、疾患群分類においては「多発外傷」ではなく、個別の骨折、臓器損傷の診断名として扱われることが多いため、症例数としては上位には入り難いです。どんな患者さんでも受け入れるという救急対応の中では、高齢者の割合が圧倒的に多く、その中でも全身状態の悪い方が入院となっています。誤嚥性肺炎も救急科が対応する症例の中では多く、平均年齢も高くなっています。

血液・内分泌内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x5xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2:5あり 37 23.30 20.27 0.00 73.65
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)   手術・処置等2:1あり 30 12.93 14.60 10.00 64.97
130030xx99x4xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2:4あり 29 14.79 11.14 0.00 74.45
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等2:2あり 26 30.08 38.35 0.00 67.15
130030xx99x3xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2:3あり 26 16.42 16.62 0.00 76.50
解説:
【血液内科】
・悪性リンパ腫、急性白血病、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫などに対し、血液専門医による指導・管理の下、新薬も駆使しながら主に急性期治療としての化学療法を施行しています。
・患者さんの高齢化、合併症の増加に伴い、外来治療への移行が困難な症例が多い中、治療中の短期間退院や後方病院への転院を治療計画へ積極的に取り入れることで在院日数の短縮に努めています。
【糖尿病・内分泌内科】
・1型糖尿病、2型糖尿病に対する教育入院で合併症の評価(他科紹介を含む)、食事・生活指導、治療内容の開始・追加・変更などを他職種の医療スタッフに介入にて実施しています。
・インスリン治療の患者さんを対象に、必要時CGM(持続血糖測定)も利用。ケトアシドーシスなどの急性代謝失調、合併症の増悪、感染などの併発、妊娠糖尿病については、重症度により他科もしくは自科にて入院加療を行っています。・バセドウ病については、甲状腺クリーゼなどの重度の甲状腺中毒症状時の急性期治療を入院管理の下に実施しています。
・下垂体・副腎などの内分泌疾患については、主に負荷試験を短期入院にて実施しています。

消化器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 198 8.02 9.53 5.05 73.97
06007xxx9910xx 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等1:あり 手術・処置等2:なし 46 4.04 4.63 4.35 73.76
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 43 8.07 7.74 0.00 69.56
060340xx99x0xx 胆管(肝内外)結石、胆管炎 手術なし 手術・処置等2:なし 42 8.60 9.76 4.76 74.81
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 手術・処置等2:なし 41 6.80 10.70 2.44 79.02
解説:
当院は山口県東部地域の中核病院であり、内科疾患の中でも侵襲的な手術や処置が必要な疾患に関しては、地域の病院や診療所の先生より多くの症例をご紹介いただいております。特に、総胆管結石、胆管炎や膵臓癌による黄疸などの胆膵領域の内視鏡的治療に関しては、特殊な内視鏡的手術が必要で、その治療を専門としている医師も複数人勤務していることもあり、症例数も多くなっております。
また、当院は救急医療にも注力しており、数多くの救急搬送を受け入れております。それに伴い、コ・メディカルと協力し、吐下血や急性腹症などの急性期症例に関しても数多く診療させていただいております。その中でも大腸憩室出血や大腸憩室炎の症例が多くなっております。
当院は2019年4月より日本肝臓学会認定施設となり、肝臓病に関しても力を入れております。肝癌に対するカテーテル治療やラジオ波焼灼療法などの内科的手術をはじめ、免疫チェックポイント阻害剤や分子標的薬などの新規薬剤治療にも対応しております。当院には肝疾患コーディネーターの資格を有する看護師、薬剤師、管理栄養士も勤務しており、チーム医療として肝疾患の患者さんに対応しております。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

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初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 75 19 11 53 20 39 1 第8版
大腸癌 45 44 43 35 25 21 2 第8版
乳癌 34 35 12 - 11 - 1 第8版
肺癌 33 - 14 28 26 48 1 第8版
肝癌 - 15 17 16 - 82 2 第8版

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

解説:
当院は、検診、診断、治療を一貫として行っており、がんの早期発見にも努めています。
また、内視鏡・体腔鏡下による低侵襲治療を積極的に行っており、化学療法、放射線治療、緩和的治療も努めています。
集計表にはありませんが、入院治療以外にも、外来化学療法、放射線療法も行っています。
集計表は、UICC病期分類(第8版)から導かれるステージ別病期分類を集計したものです。
※ 大腸癌、肝癌の病期分類基準は、UICCと異なるため、癌取り扱い規約のステージとなります。
■ 5大がん:胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝がんの主要5部位です。
■ UICC病期分類:国際対がん連合の世界共通の分類です。
■ 癌取り扱い規約:日本で編集されている規約で、臓器別に数年おきの改訂が行われています。
■ 初発:患者さんがどの段階(ステージ別、0期を除く)で入院・治療されたかを示します。初回治療の段階で、化学療法、緩和的治療等で入院を繰り返す場合は、延べ患者数となっています。
■ 再発:初回治療終了後に再発、再燃、増悪、新たな遠隔転移を来した場合で、初発同様に延べ患者数となっています。
■ 不明:入院された段階で病期が不明、または確定前に退院された場合となります。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

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患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 34 10.26 56.65
中等症 147 19.46 78.83
重症 34 25.44 80.53
超重症 17 31.71 79.41
不明 - - -
解説:
肺炎は日本の死亡原因の3位以内に入る病気です。高齢者に生じることが多く、重症化することが多いです。
重症化した場合、どこまで治療進めていくかが悩まれる病気です。
肺炎になることで身体機能が低下するため、肺炎が落ち着いたとしてもすぐに家に帰れないことはしばしばあります。
その際は地域の病院と連携し、リハビリ目的の転院や、長期療養のための転院などを相談させていただいています。

脳梗塞の患者数等

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発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 242 22.52 73.45 52.89
その他 15 22.13 67.87 46.67
解説:
当院は周南二次医療圏の中核病院として急性期医療を担っており、脳卒中発症直後の患者さんを積極的に受け入れています。2020年度はコロナ感染症の影響で、入院患者さんの数が2019年度よりも減少していました。当院では全脳梗塞患者さんに占める発症3日以内の急性期脳梗塞患者さんの割合が非常に高くなっています。2020年度は全脳梗塞患者さん257名のうち、242名(94%)の方が発症3日以内に当院へ入院されていました。
一方、当院から退院への転院率は、発症3日以内の脳梗塞患者さんでは52.89%と高率となっていました。直接自宅へ退院することのできない重症の患者さんを主に当院が受け入れているため、転院率が高くなっていると考えています。平均年齢は2017年度は75.5歳、2018年度は74.1歳、2019年度は75.76歳でしたが、2020年度は73.45歳でした。年度によって多少の誤差はあるものの、74歳前後で推移している印象です。患者さんの自宅退院に向けては、入院直後からの積極的なリハビリテーションを実施しています。
当院では、急性期脳卒中を専門に治療する脳神経外科や脳神経内科の医師が、365日、24時間対応できるシステムを採用しており、CTやMRI装置も常時、稼働することが可能です。超急性期脳梗塞患者さんには、4.5時間以内に実施可能なrt-PA(組織プラスミノーゲン・アクチベーター)を用いた急性期血栓溶解療法を2020年度は22名の患者さんに行っています。
またカテーテル治療による血栓回収術も積極的に行っており、2020年度は15名の方に実施しています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 116 1.00 5.09 2.59 64.08
K7193 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術 65 5.51 17.98 4.62 72.80
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 63 0.57 2.17 1.59 72.60
K4763 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 53 0.25 6.34 0.00 62.83
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 47 0.00 1.98 0.00 59.23
解説:
食道・胃・大腸を始めとした消化管領域を中心に、肝臓、胆管、膵臓、肺、乳腺領域の悪性腫瘍を積極的に手術しています。近年、癌の治療は手術で終わりではなく、その後数年間の通院・治療が推奨されており、基本的には手術をした病院で診療を続けていくことになります。地域の方々が、JCHO徳山中央病院で手術前検査、手術、術後の治療を一貫して行い、完結できるように尽力しています。また治療内容も都市部と同等の治療ができるように各科との合同カンファレンスも定期的に行い常に最新の知見を取り入れた医療を提供するようにしています。
胆石・胆のう炎や鼠径ヘルニアなどの良性疾患や、消化管、肝臓、肺領域の悪性腫瘍(早期癌症例と一部の進行癌症例)に対して侵襲の少ない腹腔鏡下あるいは胸腔鏡下手術を行っています。術後の疼痛が少ないため患者さんの早期離床・早期退院に貢献できています。

整形外科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 147 2.52 15.80 81.63 79.53
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 85 3.49 16.99 82.35 81.87
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 椎弓形成 76 2.42 13.57 28.95 71.58
K1422 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 後方又は後側方固定 48 3.42 19.29 70.83 72.19
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 45 2.98 9.89 35.56 59.24
解説:
骨折に対しては、変形治癒や関節拘縮等の機能障害が予想される場合や、早期機能回復や臥床、安静に伴う合併症の予防を目的として、健康状態の許す限り、手術を行います。
脊椎疾患では、低侵襲化の導入や脊椎固定の併用により、早期離床、機能回復に取り組んでいます。

脳神経外科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 44 0.66 12.16 25.00 79.66
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 21 2.05 10.05 14.29 74.14
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術 その他のもの 17 3.94 45.71 41.18 68.59
K178-4 経皮的脳血栓回収術 10 0.00 20.70 50.00 75.90
K1742 水頭症手術 シャント手術 - - - - -
解説:
慢性硬膜下血腫は、どこの脳神経外科施設においても多く治療している疾患です。当院では他施設からの紹介も多く、慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術は最も件数の多い手術となっています。平均在院日数が術後12.16日と長くなっていますが、これは急性硬膜下血腫で入院した後、血腫が慢性硬膜下血腫に移行し、手術を行った患者や、重度の合併症を有する患者が含まれているためで、殆どの患者さんは手術後7日以内に退院されています。良性、悪性を含めて頭蓋内腫瘍摘出術を、17例に行っています。術後の在院日数が45.71日となっていますが、悪性腫瘍では術後に放射線治療や抗がん剤治療を行うため、在院日数が長くなる傾向にあります。いずれの疾患に対しても術後早期から、専任のリハビリスタッフによる機能回復訓練を行っています。経皮的頸動脈ステント留置術は2017年度が10例であったのに対して、2018年度と2019年度は15例であったのが、2020年度は17例でした。社会の高齢化により、動脈硬化性病変が増加しているためと考えます。平均術後日数は10.05日であり、2019年度の10.47日とほぼ同じでした。動脈硬化による閉塞性疾患は、今後も増加することが予測されており、積極的かつ丁寧な治療を心がけていきたいと考えています。経皮的血栓回収術を2020年度は脳神経外科10例、脳神経内科5例と、計15名の方に実施しています。血栓回収術の適応基準が拡大されてきており、今後更に手術件数が増加すると考えています。

心臓血管外科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5612ロ ステントグラフト内挿術 1以外の場合 腹部大動脈 23 2.09 7.74 0.00 77.30
K5551 弁置換術 1弁のもの 20 3.95 19.50 5.00 77.25
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺を使用しないもの) 2吻合以上のもの 11 4.73 13.73 9.09 70.45
K5612イ ステントグラフト内挿術 1以外の場合 胸部大動脈 10 2.00 25.20 10.00 76.30
K554-21 胸腔鏡下弁形成術 1弁のもの - - - - -
解説:
冠動脈バイパス術はほとんどの症例で人工心肺を使用しない、いわゆるオフポンプCABGを行っています。低侵襲で体に対する負担が少ないのが特徴です。術後の回復が早く、多くの患者さんは2週間程度で自宅退院されます。その他弁膜症に対しては胸骨温存の低侵襲手術(MICS)、動脈瘤に対してはステントグラフト内挿術を行っており、低侵襲手術を積極的に行っています。

産婦人科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 125 1.02 4.34 0.00 49.10
K8982 帝王切開術 選択帝王切開 99 4.67 7.21 0.00 34.19
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 腹腔鏡によるもの 91 1.21 4.32 0.00 42.84
K867 子宮頸部(腟部)切除術 46 1.00 0.96 0.00 43.52
K8981 帝王切開術 緊急帝王切開 43 5.93 7.70 0.00 32.88
解説:
腹腔鏡下手術は年々増加しており、現在では婦人科手術の最も多い手術になっています。良性の卵巣腫瘍はほぼ腹腔鏡下に施行し、子宮筋腫や腺筋症に対する子宮全摘術も可能な限り腹腔鏡下に施行しています。また当院は地域周産期母子医療センターで数多くのハイリスク妊娠を取扱っています。そのため選択的帝王切開や緊急帝王切開率は高いものとなっています。帝王切開は下腹部横切開で施行し、術後の痛みが少なく術創が目立たないようにしています。子宮頸がんの初期病変である高度異形成や上皮内癌に対して行う円錐切除術も多く施行しています。

眼科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 263 0.07 2.67 0.38 76.01
K2683 緑内障手術 濾過手術 30 0.00 11.13 0.00 73.90
K224 翼状片手術(弁の移植を要するもの) - - - - -
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの - - - - -
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) - - - - -
解説:
水晶体再建術と緑内障手術はコンスタントに症例があります。翼状片手術、硝子体手術の症例もありますが、統計に反映されていないようです。

耳鼻咽喉科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術 摘出 47 0.28 7.06 0.00 23.04
K4631 甲状腺悪性腫瘍手術 切除(頸部外側区域郭清を伴わないもの) 22 0.05 7.73 0.00 57.23
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術III型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 19 0.05 6.63 0.00 58.74
K4641 副甲状腺(上皮小体)腺腫過形成手術 副甲状腺(上皮小体)摘出術 11 0.00 7.00 0.00 60.45
K6261 リンパ節摘出術 長径3センチメートル未満 10 0.00 6.30 10.00 44.10
解説:
手術治療は入院日前に検査、説明を行い、当日の入院を基本としていますが、持病お持ちなど患者さんなど手術前の治療や管理を要する時は手術日前の入院となります。成人では習慣性扁桃炎に対して、小児では睡眠時無呼吸に対する治療として行う扁桃腺摘出術がもっとも多くなっています。リンパ節摘出術はリンパ節を摘出し、検査することにより病気の原因を確定するために行う事が多く、リンパ腫を扱う内科の先生よりご紹介いただくことが多いです。当科では咽喉頭、頸部の炎症性疾患や良性、悪性腫瘍手術、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎に対する鼻副鼻腔手術、中耳炎等に対する耳科手術等、耳鼻咽喉科領域全般に対する手術を行っています。高度の専門性を有する手術に対しては山口大学等附属病院等とも連携をとって手術、治療を行っています。

脳神経内科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K386 気管切開術 13 13.00 74.15 76.92 67.62
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - - - - -
K1742 水頭症手術 シャント手術 - - - - -
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) - - - - -
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) - - - - -
解説:
ALSなどの神経難病や、長期間の人工呼吸管理が必要となった中枢神経感染症・自己免疫性脳炎などを対象に気管切開を行っています。気管切開を行う際には脳外科・耳鼻科などのサポートの元で行っています。

皮膚科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術 単純切除 28 0.04 4.50 0.00 74.89
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 長径6センチメートル以上12センチメートル未満 - - - - -
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 長径3センチメートル以上6センチメートル未満 - - - - -
K0132 分層植皮術(25cm2以上100cm2未満) - - - - -
K013-21 全層植皮術(25cm2未満) - - - - -

解説:
基底細胞癌、ボーエン病、有棘細胞癌等の皮膚悪性腫瘍切除術においては手術当日入院とし、病変の大きさ、術式により入院期間を判断し、早期退院を目指しています。

泌尿器科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 160 1.31 4.49 0.63 75.07
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの 76 4.04 12.83 3.95 69.67
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 50 0.60 6.02 8.00 72.54
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 50 1.00 9.06 0.00 68.74
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 33 1.48 9.36 0.00 72.42
解説:
膀胱癌の治療としては、経尿道的手術が多く、腫瘍切除後、非浸潤性癌については、術後膀胱内抗癌剤注入治療を、再発予防のため行います。
末期腎不全の透析導入のために、内シャント造設術も当科で行います。
前立腺癌の手術は、ほぼ全例、ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘出術を、腎癌、腎盂尿管癌の手術は腹腔鏡下手術を行います。
なお、結石に対するESWLは外来治療としています。

循環器内科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの 169 1.37 2.29 0.59 66.11
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 148 1.82 3.81 3.38 72.10
K5972 ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 63 2.79 8.68 9.52 80.52
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術 不安定狭心症に対するもの 61 0.03 11.82 8.20 70.44
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 57 0.93 2.26 3.51 70.63
解説:
最も多いのは虚血性心疾患(狭心症と心筋梗塞)に対する経皮的冠動脈ステント留置術です。開胸することなく低侵襲で治療でき、今後も増加するものと考えられます。また血管内超音波法、光干渉断層法、血流予備量比等を駆使して最適な治療を心がけています。難治性の患者さんに対してもロータブレーター、エキシマーレーザーアテレクトミー等の最先端の医療器具を駆使して治療を行っています。不整脈についてもエンサイト等の最新鋭の機器を駆使しカテーテルアブレーション(経皮的カテーテル心筋焼灼術)による根治術を行っています。特に最近は心房細動に対する経皮的カテーテル心筋焼灼術が増加しています。閉塞性動脈硬化症に対する四肢の血管拡張術・血栓除去術に関しても最新の機器を駆使して適切な治療を行っています。また症候性徐脈性不整脈の患者様には積極的にペースメーカー植込み術を行い患者様の予後改善に努めています。

消化器内科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 165 1.76 8.57 3.64 73.11
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) 64 0.97 8.00 12.50 73.86
K654 内視鏡的消化管止血術 48 0.63 8.77 12.50 72.38
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術 41 0.68 7.51 2.44 74.56
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 36 0.39 5.28 0.00 78.81
解説:
例年と同様に、胆膵領域の内視鏡的手術の件数が上位を占めております。この領域の内視鏡治療は専門性が高く、その内視鏡的治療を専門としている医師が複数人勤務しているため、地域の病院や診療所の先生より多くの症例をご紹介いただいております。また、当院では夜間・休日問わず急患の受け入れを行っており、当科では腹痛や吐下血の救急患者を数多く対応させていただいており、出血性胃・十二指腸潰瘍や大腸憩室出血などに対する内視鏡的止血術も多くなっております。肝臓癌のカテーテル治療における血管塞栓術は前年と比較して件数は減少しておりますが、肝臓癌に対する新規薬物療法の選択肢が増えてきた影響もあると考えます。
当院では救急症例も多く、また、予定手術に関しましては当日入院で対応させていただくことが多く、術前日数はかなり短くなっており、術後に関してはパスの使用もあり、例年と大きな変動はありません。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

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DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 19 0.16
180010 敗血症 同一 28 0.24
異なる 33 0.28
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 54 0.46
異なる 20 0.17
解説:
DIC(播種性血管内凝固)はいろいろな病気で引き起こされ、これが生じるといろいろな臓器に障害をもたらしていきます。
重症病態を受け入れる当科において、合併することが多い病態です。
血液の固まりやすさ、固まりにくさが異常に亢進してしまい、それによる臓器障害、出血傾向を引き起こします。
敗血症は感染症がきっかけで全身状態を悪くするものだと考えていただければと思います。
感染症については高齢者が悪くなりやすく、高齢者に感染症を引き起こすと命に関わってきます。
そのため、近隣の病院から、悪くなりそうだと判断された症例は当院へ紹介となることが多いです。

更新履歴

2021年9月30日
令和2年度徳山中央病院病院指標を公表しました