令和3年度 徳山中央病院  病院指標

令和3年度 徳山中央病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

年齢階級別退院患者数

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年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 930 298 382 584 813 1130 1932 3521 2337 539

解説:
令和3年度の退院患者さんの年齢別構成です。
1番多い年齢階級は70歳代の患者さんで、60歳以上の占める割合は66.8%と高齢の患者さんが多くなっています。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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小児科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2:なし 202 7.49 6.13 0.50 0.00
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他)   副傷病:なし 71 6.39 5.83 0.00 1.31
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2:なし 58 14.76 11.01 0.00 0.00
150040xxxxx0xx 熱性けいれん   手術・処置等2:なし 49 3.37 3.83 2.04 1.94
040100xxxxx00x 喘息   手術・処置等2:なし 副傷病:なし 39 6.90 6.24 0.00 3.95

解説:
母体糖尿病、母体甲状腺機能異常、母体GBSキャリア、母体発熱、破水から24時間以上経過して出生、母体血小板減少、母体不規則抗体陽性など、それぞれのクリニカルパスに従って網羅的に新生児の予想される異常を見逃さないように対応しています。
予防接種の普及で感染症での入院は減少傾向ですが、RSウイルス感染を初めとする気道感染症は乳幼児・小児の入院を要する代表的疾患です。必要に応じて輸液・抗菌薬・酸素投与等で治療します。
低出生体重児の出生後には、呼吸障害・低血糖・哺乳障害などを合併しやすく血糖や酸素モニターでの管理が必要です。必要に応じて治療を行います。
痙攣重積発作や痙攣後の意識障害が見られる際は入院での厳重な経過観察が必要です。てんかんは管理が長期になることから、正確な診断のために、ビデオ付き脳波計による終日脳波検査での検査入院を行っています。
喘息は慢性気道炎症が起きているとされており予防が大事な疾患です。以前に比べて喘息発作で入院するケースは明らかに減少しましたが、感染症に伴う急激な発作が始まったり、乳児喘息については特に酸素化が悪くなったり、呼吸苦が出やすく入院加療が必要になります。

外科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1:なし 副傷病:なし 95 18.32 15.76 4.21 71.52
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 94 3.71 4.74 1.06 68.09
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 66 5.71 6.25 0.00 63.17
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1:なし 63 9.46 10.15 0.00 63.57
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 60 4.30 5.88 0.00 63.58

解説:
食道・胃・大腸を始めとした消化管領域を中心に、肝臓、胆管、膵臓、肺、乳腺領域の悪性腫瘍(癌や肉腫)を積極的に手術しています。近年、癌の治療は手術で終わりではなく、その後5(~それ以上)年間の通院・治療が推奨されており、基本的には手術を受けた病院で診療を続けていくことになります。地域の方々が、JCHO徳山中央病院で手術前検査、手術、術後の治療を一貫して行い、完結できるように尽力しています。
また治療内容も都市部と同等の治療ができるように他科との合同カンファレンスも定期的に行い、各領域の学会に参加し常に最新の知見を取り入れた医療を提供するようにしています。
胆石症、鼠径ヘルニアなどの良性疾患や、急性期疾患(急性虫垂炎など)の手術にも対応しています。消化管、呼吸器領域の悪性腫瘍に対して侵襲の少ない腹腔鏡下あるいは胸腔鏡下手術を積極的に行っています。術後の疼痛が少ないため患者さんの早期離床・早期退院に貢献できています。また、入院と同時に開始するがんリハビリテーションを導入し、早期退院に寄与しています。

整形外科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 198 18.62 25.32 87.37 82.42
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 副傷病:なし 81 2.58 4.99 1.23 58.68
070343xx99x1xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 手術なし 手術・処置等2:1あり 71 2.18 2.68 0.00 69.49
070343xx97x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 その他の手術あり 手術・処置等2:なし 48 16.19 15.77 14.58 69.71
160700xx97xx0x 鎖骨・肩甲骨の骨折 手術あり 副傷病:なし 33 2.91 5.99 0.00 49.55

解説:
大腿骨近位部や手関節周辺の骨折は、転倒等の軽微な外傷で発生する高齢者に多い骨折です。特に大腿骨近位部骨折では、全身状態の維持と歩行能の回復のためには早期の手術とリハビリが重要です。当院では主に手術と周術期管理を行っていますが、手術からリハビリまでしっかりと診療が継続できるよう、周辺医療機関と連携を行っています。
腰椎の変性による腰部脊柱管狭窄症が近年増加しています。下肢痛やしびれのため歩行能が低下します。日常生活に障害を来す場合には、手術が必要になることもあります。

脳神経外科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:4あり 副傷病:なし 重症度:発症前Rankin Scale 0、1又は2 66 15.83 15.63 43.94 71.58
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 53 10.79 9.78 18.87 74.64
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 37 21.49 18.90 83.78 70.00
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 22 11.95 8.30 31.82 59.00
010040x199x0xx 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10以上) 手術なし 手術・処置等2:なし 19 19.79 22.42 52.63 75.58

解説:
当院は周南二次医療圏の中核病院であり、脳卒中や外傷患者さんを始めとした救急患者さんを多数受け入れています。従って発症3日以内の超急性期脳梗塞患者さんや脳出血患者さん、さらには頭部外傷患者さんの割合が高くなっています。DPCコード010060x2990401脳梗塞(発症3日目以内、かつ、JCS10未満)の患者数は令和3年度66名でした。平均年齢が71.58歳と、令和2年度の68.76歳より平均で3歳高齢化していましたが、平均在院日数は15.83日で昨年の16.54日より短縮していました。頭蓋・頭蓋内損傷の患者さんや非外傷性頭蓋内血腫の患者さんの数は昨年よりも大幅に増加していました。当院では脳神経外科医と脳神経内科医による24時間のオンコール体制を実施しており、麻酔科の協力の元、緊急手術にも対応できるシステムとなっているため、救急搬送される患者さんが昨年よりも大幅に増加していました。また麻痺を有する患者さんには、入院早期から積極的なリハビリテーションを開始しており、後遺症の軽減に取り組んでいます。

心臓血管外科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2:なし 37 11.16 11.06 13.51 79.11
050080xx0101xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:1あり 27 23.07 21.93 3.70 70.37
050163xx01x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術等 手術・処置等2:1あり - - 28.08 - -
050080xx015xxx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1:5あり - - 39.27 - -
050161xx97x1xx 大動脈解離 その他の手術あり 手術・処置等2:1あり - - 29.08 - -

解説:
心臓血管外科で扱う疾患は、心臓弁膜症、狭心症、大動脈瘤などです。いずれの疾患も薬物での治療が難しい患者さんが、心臓血管外科で手術を受けることになります。当院は、いずれの疾患にも対応可能な体制が整っており、緊急手術にも対応しています。令和3年度は心臓弁膜症および動脈瘤に対する治療が多く行われました。また冠動脈バイパス術も増加傾向なります。当科は、手術成績の向上のみならず、患者さんが退院してからの生活も考えて治療法を決定しています。術後の早期回復に重点をおいており、入院期間が全国平均よりも短いのが特徴です。

(患者数が10件未満の場合は、-(ハイフン)で表記することとなっています)

産婦人科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2:4あり 副傷病:なし 123 3.77 4.34 0.00 61.67
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 98 6.65 6.04 1.02 45.61
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 75 6.05 6.11 0.00 42.51
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 75 8.92 9.39 0.00 34.16
120010xx99x70x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2:7あり 副傷病:なし 57 3.23 4.008 0.00 56.51

解説:
産科と婦人科、ともに幅広い疾患に対応しています。婦人科悪性疾患の子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌に対しては手術だけでなく、抗がん剤や放射線治療を交えた集学的治療を施行しています。子宮や卵巣の良性腫瘍の場合、できるだけ低侵襲な治療として腹腔鏡下や子宮鏡下手術、経膣的手術といった開腹しない手術を心がけています。産科も地域周産期母子医療センターとして稼働しておりハイリスク妊娠や分娩など地域からの搬送を数多く受け入れています。緊急帝王切開時には麻酔科、手術室と連携し迅速に対応ができる体制をとっています。

眼科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 重症度:片眼 191 3.09 2.71 0.00 74.73
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 重症度:両眼 84 5.18 4.83 2.38 77.14
020220xx01xxx0 緑内障 緑内障手術 濾過手術 重症度:片眼 29 11.52 9.47 0.00 74.90
020220xx97xxx0 緑内障 その他の手術あり 重症度:片眼 11 7.64 5.41 0.00 69.09
160250xxxx1xxx 眼損傷   手術・処置等1:あり 10 10.10 8.57 0.00 74.30

解説:
白内障手術は入院の場合、片眼2泊3日、両眼で4泊5日の入院を基本としているため、この数字となりますが、術者によって手術日が異なるため両眼で5泊6日になる場合もあります。緑内障の場合、濾過手術は、ある程度状態が落ち着くまで様子を見るため、比較的長めの入院となり、前年度とほとんど変わっていません。

耳鼻咽喉科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030428xxxxxxxx 突発性難聴   49 14.35 8.75 0.00 59.65
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1:あり 33 2.00 2.03 0.00 56.00
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患   32 7.50 7.84 0.00 19.66
030390xx99xxxx 顔面神経障害 手術なし 29 11.59 9.01 3.45 57.83
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 27 6.56 4.92 0.00 63.33

解説:
当院では周辺に耳鼻科常勤医を有する病院が少ないため、地域の緊急を有する耳鼻科領域疾患を積極的に受け入れています。このため突発性難聴や、顔面神経麻痺、めまい等の急性の神経障害で多くの方が入院されています。これらの患者さんは糖尿病などの基礎疾患を有する場合も多く、若干入院期間が長くなる場合もあります。また、緊急では咽頭喉頭などの急性炎症の患者さんも多く入院されます。
”睡眠時無呼吸”の入院患者さんが多くなっています。睡眠時無呼吸は最近広く認知されるようになり、患者さんも増加しています。簡易検査は外来でも可能ですが、精密検査、治療方法の決定のためには1泊入院の検査となります。”扁桃、アデノイドの慢性疾患”は成人では慢性扁桃炎に対する扁桃摘出術が多いですが、小児では睡眠時無呼吸の治療として扁桃腺摘出術、アデノイド切除術を多く行っています。

脳神経内科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 22 10.00 7.22 22.73 63.64
010110xxxxx4xx 免疫介在性・炎症性ニューロパチー   手術・処置等2:4あり 19 14.89 16.11 0.00 60.26
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:2あり 副傷病:なし 重症度:発症前Rankin Scale 0、1又は2 13 15.15 15.57 53.85 70.62
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:4あり 副傷病:なし 重症度:発症前Rankin Scale 0、1又は2 12 14.75 15.63 50.00 74.92
010155xxxxx2xx 運動ニューロン疾患等   手術・処置等2:2あり 11 20.55 16.43 0.00 68.91

解説:
当科は脳卒中(脳梗塞・脳出血)から、自己免疫性神経疾患(自己免疫性脳炎、多発性硬化症、末梢神経障害、筋炎など)、てんかん、認知症などの神経変性疾患、神経感染症まで幅広く診療していることが特徴です。神経疾患に対して生物学的製剤を積極的に使用しています。
脳神経外科とは緊密に連携を行っており、脳梗塞超急性期の血栓溶解療法や血管内治療、脳出血は協力して診療に当たっています。

内科系から外科系までシームレスに神経疾患の検索・治療が行われています。
パーキンソン病の治療の中でも脳深部刺激術は他施設と共同で治療に当たっています。
当院では手術前の評価を中心に行っています。
自己免疫の関与する末梢神経障害や筋疾患での組織生検は山口大脳神経内科と共同して検査に当たっています。
診断に際してはセカンドオピニオンも積極的に行っています。

皮膚科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2:なし 19 6.68 7.68 0.00 76.63
080010xxxx0xxx 膿皮症   手術・処置等1:なし 13 10.85 13.07 0.00 66.92
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1:なし 10 3.20 4.01 0.00 65.20
080020xxxxxxxx 帯状疱疹   - - 9.22 - -
080110xxxxx0xx 水疱症   手術・処置等2:なし - - 29.17 - -

解説:
基底細胞癌、ボーエン病、有棘細胞癌等の皮膚悪性腫瘍および粉瘤、脂肪腫、脂漏性角化症等の皮膚の良性新生物の摘出術に関し、手術当日の入院とし、病変部の範囲、術式により入院期間を判断し、早期退院を目指しています。帯状疱疹は、パスに従い、抗ウイルス剤投与期間を検討し、入院期間の短縮を考慮しています。

(患者数が10件未満の場合は、-(ハイフン)で表記することとなっています)

泌尿器科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2:なし 146 7.17 7.02 0.68 76.42
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 58 10.66 7.87 0.00 69.14
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 54 10.11 13.14 9.26 73.83
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 手術・処置等1:なし 副傷病:なし 51 5.47 5.56 3.92 63.06
110420xx02xx0x 水腎症等 経尿道的尿管ステント留置術等 副傷病:なし 39 3.56 3.99 0.00 73.49

解説:
当科では泌尿器疾患全般と腎臓内科の治療に携わっております。
泌尿器科疾患に関しては特に膀胱癌や前立腺癌の手術症例が多く、腎臓内科関連では保存期腎不全から末期腎不全(血液透析、腹膜透析、腎移植)まで腎不全全般の内科的、外科的治療を行っています。

循環器内科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1:なし、1,2あり 手術・処置等2:なし 189 5.17 4.36 3.17 71.01
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2:なし 181 4.32 4.79 0.55 67.77
050130xx9900xx 心不全 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:なし 143 16.81 17.35 11.89 80.35
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1:1あり 手術・処置等2:なし 119 3.40 3.06 0.00 71.76
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1:なし、1,3あり 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 103 10.68 10.24 9.71 81.47

解説:
最も多いのは虚血性心疾患(狭心症と心筋梗塞)ですが、その他心不全、不整脈においてもハイレベルかつ専門的な診療を行っています。虚血性心疾患(狭心症と心筋梗塞)は動脈硬化による疾患ですので高齢化及び食事の欧米化などにより増加しています。また頻脈性不整脈が増加していますが、心房細動がカテーテルアブレーションで治療できるようになったためです。、徐脈性不整脈の増加は主に高齢化が原因と考えられます。心不全症例も虚血性心疾患をベースにした症例が増加したためと考えられます。

救急科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
180010x0xxx2xx 敗血症(1歳以上)   手術・処置等2:2あり 18 27.89 31.19 50.00 66.28
100380xxxxxxxx 体液量減少症   16 12.88 10.66 37.50 75.75
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2:なし 14 17.07 20.57 28.57 81.00
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒)   手術・処置等2:なし 副傷病:なし 14 3.64 3.70 28.57 57.86
161020xxxxx10x 体温異常   手術・処置等2:あり 副傷病:なし 11 25.00 16.11 45.45 81.18

解説:
救急科で対応する疾患は多岐にわたりますが、その中で重症感染症が多いです。また、救急患者の多くは脱水状態にあると言われています。水分バランスの異常は全身に異常をきたし、様々な症状を引き起こします。多すぎても少なすぎても時には命取りになります。山口県の状況ですが高齢化比率が高いため、救急対応の中では高齢者の割合が圧倒的に多く、その中でも全身状態の悪い方が入院となります。そのため、救急科で内科的疾患の入院の多くは高齢者です。

血液・内分泌内科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x5xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2:5あり 75 21.52 19.92 0.00 73.13
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等2:2あり 37 42.03 37.46 2.70 65.08
130030xx97x50x 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等2:5あり 副傷病:なし 26 29.31 31.17 3.85 70.15
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)   手術・処置等2:1あり 22 15.45 14.41 18.18 66.73
130030xx99x4xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2:4あり 19 16.32 10.66 0.00 71.37

解説:
【血液内科】
・悪性リンパ腫、急性白血病、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫などに対し、血液専門医による指導・管理の下、新薬も駆使しながら主に急性期治療としての化学療法を施行しています。
・患者さんの高齢化、合併症の増加に伴い、外来治療への移行が困難な症例が多い中、治療中の短期間退院や後方病院への転院を治療計画へ積極的に取り入れることで在院日数の短縮に努めています。
【糖尿病・内分泌内科】
・1型糖尿病、2型糖尿病に対する教育入院で合併症の評価(他科紹介を含む)、食事・生活指導、治療内容の開始・追加・変更などを他職種の医療スタッフに介入にて実施しています。
・インスリン治療の患者さんを対象に、必要時CGM(持続血糖測定)も利用。ケトアシドーシスなどの急性代謝失調、合併症の増悪、感染などの併発、妊娠糖尿病については、重症度により他科もしくは自科にて入院加療を行っています。
・バセドウ病については、甲状腺クリーゼなどの重度の甲状腺中毒症状時の急性期治療を入院管理の下に実施しています。・下垂体・副腎などの内分泌疾患については、主に負荷試験を短期入院にて実施しています。

消化器内科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 243 7.60 9.21 5.35 74.75
060210xx9910xx ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1:あり 手術・処置等2:なし 51 10.24 13.27 5.88 70.45
060340xx99x0xx 胆管(肝内外)結石、胆管炎 手術なし 手術・処置等2:なし 51 9.55 9.62 7.84 75.24
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 42 7.21 7.70 0.00 60.17
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 手術・処置等2:なし 41 7.71 10.48 2.44 77.27

解説:
当院は山口県東部地域の中核病院としての役割のになっており、内科疾患のなかでも侵襲的な手術や処置が必要な疾患や救急対応が必要な疾患に関しては、地域の病院や診療所の先生より多くの症例をご紹介いただいております。特に、総胆管結石性胆管炎や膵癌等による黄疸などの胆膵臓領域における内視鏡的治療は、専門性が高く、特殊な処置が必要な場合が多いものになります。当院ではその治療を専門としている医師も複数人勤務していることもあり、近隣の先生よりご紹介いただいており、症例が多くなっております。また、胆管炎による腹痛や発熱、腸閉塞による腹痛や嘔吐、大腸憩室出血による血便などは突然発症することが多く、救急医療に注力している当院に救急搬送され、このような救急症例が多くなっております。当院は2019年4月より日本肝臓学会認定施設となり、肝臓病に関しても力を入れております。肝臓癌に対する免疫チェックポイント阻害剤や分子標的薬など新規薬物治療も導入し、数多くの症例に使用しております。当院には肝疾患コーディネーターの資格を有する看護師、薬剤師、管理栄養士も勤務しており、チーム医療として肝疾患の患者さんに対応しております。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

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初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 71 22 - 46 23 34 1 第8版
大腸癌 55 45 68 38 51 20 2 第8版
乳癌 51 47 11 - - - 1 第8版
肺癌 49 - 15 38 19 53 1 第8版
肝癌 - 15 29 16 - 64 2 第8版

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

解説:
当院は、検診、診断、治療を一貫として行っており、がんの早期発見にも努めています。
また、内視鏡・体腔鏡下による低侵襲治療を積極的に行っており、化学療法、放射線治療、緩和的治療も努めています。
集計表にはありませんが、入院治療以外にも、外来化学療法、放射線療法も行っています。
集計表は、UICC病期分類(第8版)から導かれるステージ別病期分類を集計したものです。
※ 大腸癌、肝癌の病期分類基準は、UICCと異なるため、癌取り扱い規約のステージとなります。
■ 5大がん:胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝がんの主要5部位です。
■ UICC病期分類:国際対がん連合の世界共通の分類です。
■ 癌取り扱い規約:日本で編集されている規約で、臓器別に数年おきの改訂が行われています。
■ 初発:患者さんがどの段階(ステージ別、0期を除く)で入院・治療されたかを示します。初回治療の段階で、化学療法、緩和的治療等で入院を繰り返す場合は、延べ患者数となっています。
■ 再発:初回治療終了後に再発、再燃、増悪、新たな遠隔転移を来した場合で、初発同様に延べ患者数となっています。
■ 不明:入院された段階で病期が不明、または確定前に退院された場合となります。

(患者数が10件未満の場合は、-(ハイフン)で表記することとなっています)

成人市中肺炎の重症度別患者数等

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患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 14 12.43 62.36
中等症 89 14.85 78.30
重症 15 19.47 85.53
超重症 10 26.60 82.70
不明 - - -

解説:
肺炎は新型コロナウイルス感染症でも分かったように恐ろしい病気です。抗菌薬や医療機器の進歩により、一見、治る疾患のように思われますが、そんなことはありません。未だにどんなに先端医療を施しても死に至る可能性があります。
重症化した場合、どこまで治療進めていくかが悩まれる病気です。
肺炎になることで身体機能が低下するため、肺炎が落ち着いたとしてもすぐに家に帰れないことはしばしばあります。
その際は地域の病院と連携し、転院治療を相談させていただいています。

(患者数が10件未満の場合は、-(ハイフン)で表記することとなっています)

脳梗塞の患者数等

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発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 291 21.42 75.63 53.61
その他 25 18.12 75.20 52.00

解説:
当院は周南二次医療圏の中核病院として急性期医療を担っています。脳卒中患者さんの受け入れも積極的に行っており、令和3年度は316名の脳梗塞急性期患者さんを受け入れています。令和2年度の受け入れ患者数が257名であったことを考慮すると、患者数は大幅に増加していました。令和3年度は316名の患者さんのうち、291名(約92%)が発症後3日以内の入院でした。発症後3日以内に入院された患者さんの平均年齢は令和3年度は53.61歳と、令和2年度の73.45歳に比べて、大幅に若年化していました。そして入院患者さんの増加に伴い、受け入れ病床の確保を目的として平均在院日数が令和3年度では21.42日(令和2年度は22.52日)と短縮しています。更に転院率も75.63%と令和2年度の52.89%よりも高率となっていました。当院には現在、脳神経外科医5名(専門医5名)と脳神経内科医4名(専門医3名)が在籍しており、脳卒中の急性期治療に24時間体制で積極的に取り組んでいます。超急性期の脳梗塞患者さんを対照にしたrt-PA(組織プラスミノーゲン・アクチベーター)を用いた急性期血栓溶解療法を令和3年度は29名の患者さんに行っています(令和2年度は22名)。また脳梗塞発症8時間以内に行う、カテーテルによる血栓回収術を令和3年度は23名の患者さんに実施しています(令和年度は10名に実施)。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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小児科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9132 新生児仮死蘇生術 仮死第2度のもの 13 0 58.77 7.69 0.00
K7151 腸重積症整復術 非観血的なもの - - - - -
K9131 新生児仮死蘇生術 仮死第1度のもの - - - - -
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術 その他のもの - - - - -
K6262 リンパ節摘出術(長径3cm以上) - - - - -

解説:
分娩に立ち会う全てのスタッフ(小児科医、産婦人科医、助産師、看護師)は定期的に新生児蘇生講習会を受講しており、新生児仮死蘇生方法のレベル維持に努めています。 新生児仮死が予想されるハイリスク分娩には小児科医があらかじめ立ち会っています。予想外に新生児仮死になった場合も24時間交代性勤務の小児科医が病院内にいるのですぐに駆けつけます。当院では腸重積整復には腹部超音波下で生理食塩水による高圧浣腸を行っており、放射線透視下での整復での放射線被曝を受ける事無しに行うことができます。

(患者数が10件未満の場合は、-(ハイフン)で表記することとなっています)

外科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 128 0.61 5.46 0.78 63.51
K7193 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術 65 5.14 17.43 10.77 74.12
K4762 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 60 0.05 3.25 0.00 63.58
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの 56 0.21 3.50 0.00 41.41
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 55 0.25 2.73 1.82 69.04

解説:
食道・胃・大腸を始めとした消化管領域を中心に、肝臓、胆管、膵臓、肺、乳腺領域の悪性腫瘍を積極的に手術しています。近年、癌の治療は手術で終わりではなく、その後数年間の通院・治療が推奨されており、基本的には手術をした病院で診療を続けていくことになります。地域の方々が、JCHO徳山中央病院で手術前検査、手術、術後の治療を一貫して受け、完結できるように尽力しています。また治療内容も都市部と同等の治療ができるように各科との合同カンファレンスも定期的に行い常に最新の知見を取り入れた医療を提供するようにしています。
胆石・胆のう炎や鼠径ヘルニアなどの良性疾患や、消化管、肝臓、肺領域の悪性腫瘍に対して侵襲の少ない腹腔鏡下あるいは胸腔鏡下手術を行っています。術後の疼痛が少ないため患者さんの早期離床・早期退院に貢献できています。また、がんリハビリテーションを導入しています。術前術後のリハビリを行い、早期退院を目指しています。

整形外科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 125 1.50 14.25 82.40 82.14
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 椎弓形成 89 2.35 15.82 25.84 70.37
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 79 2.44 18.65 81.01 82.24
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕) 64 0.05 1.38 1.56 56.05
K0731 関節内骨折観血的手術 肩、股、膝、肘 60 1.18 9.52 45.00 67.43

解説:
股関節周囲や下肢の骨折に対しては全員常置あの維持や早期の機能回復のため、可及的早期に手術を行います。
脊椎手術は顕微鏡やナビゲーション、脊髄モニタリングを併用し、安全かつ低侵襲化し、手術成績の向上と合併症の軽減を図っています。

脳神経外科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 49 0.16 11.59 22.45 79.04
K178-4 経皮的脳血栓回収術 25 0.48 19.16 68.00 75.52
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング 1箇所 23 1.65 37.22 60.87 66.78
K1781 脳血管内手術 1箇所 20 1.45 31.00 65.00 60.70
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 20 1.70 8.35 5.00 76.70

解説:
主要手術件数としては、慢性硬膜下血腫が49例と最多でした。慢性硬膜下血腫はどこの施設においても多く治療している疾患です。通常手術後一週間以内に退院される患者さんが殆どですが、当院の場合には急性硬膜下血腫にて入院された患者さんで、急性硬膜下血腫が慢性に移行したのちに穿頭手術を行った患者さんが数名含まれています。こ様な患者さんの場合は、外傷による合併症を有しておられる方が多く、穿頭術後の在院日数が長くなる傾向がみられ、全体の平均術後日数が長くなる要因となっています。次に多い手術としては経皮的脳血栓回収術が25件となっており、令和2年度10件よりも大幅に増加していました。当院では、急性期の脳卒中患者さんを積極的に受け入れており、令和3年度では令和2年度より超急性期の脳梗塞患者数が大幅な増加傾向となっていて、経皮的脳血栓回収術も前年度よりも大幅に増加していました。経皮的脳血栓回収術を実施した患者さんの平均年齢は令和3年度75.52歳であり、令和2年度の74.14歳より高齢化が認められました。脳動脈瘤の開頭手術であるクリッピング術についても23件と令和2年度17件よりも増加がみられています。更に令和3年度の当院における手術件数の特徴としては、脳血管内手術件数の増加を挙げることができます。令和3年4月より脳血管内治療専門医・指導医が着任しており、脳血管内手術を積極的に実施することが可能となっています。

心臓血管外科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5612ロ ステントグラフト内挿術 1以外の場合 腹部大動脈 28 2.46 8.07 14.29 78.25
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺を使用しないもの) 2吻合以上のもの 18 6.22 16.28 11.11 70.17
K5612イ ステントグラフト内挿術 1以外の場合 胸部大動脈 - - - - -
K555-31 胸腔鏡下弁置換術 1弁のもの - - - - -
K5612ハ ステントグラフト内挿術 1以外の場合 腸骨動脈 - - - - -

解説:
冠動脈バイパス術はほとんどの症例で人工心肺を使用しない、いわゆるオフポンプCABGを行っています。低侵襲で体に対する負担が少ないのが特徴です。術後の回復が早く、多くの患者さんは2週間程度で自宅退院されます。さらに胸骨切開を行わない冠動脈バイパス術(MICS-CABG)も行っています。その他弁膜症に対しては胸骨温存の低侵襲手術(MICS)、動脈瘤に対してはステントグラフト内挿術を行っており、低侵襲手術を積極的に行っています。(患者数が10件未満の場合は、-(ハイフン)で表記することとなっています)

産婦人科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 腹腔鏡によるもの 109 0.95 4.14 0.00 41.37
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 94 1.02 5.04 1.06 47.00
K8982 帝王切開術 選択帝王切開 92 3.72 7.22 0.00 34.34
K867 子宮頸部(腟部)切除術 54 1.00 1.00 0.00 42.22
K8981 帝王切開術 緊急帝王切開 51 5.75 7.43 0.00 33.24

解説:
腹腔鏡下手術は年々増加しており、現在では婦人科手術の最も多い手術になっています。良性の卵巣腫瘍はほぼ腹腔鏡下に施行し、子宮筋腫や腺筋症に対する子宮全摘術も可能な限り腹腔鏡下に施行しています。また当院は地域周産期母子医療センターで数多くのハイリスク妊娠を取扱っています。そのため選択的帝王切開や緊急帝王切開率は高いものとなっています。帝王切開は下腹部横切開で施行し、術後の痛みが少なく術創が目立たないようにしています。子宮頸がんの初期病変である高度異形成や上皮内癌に対して行う円錐切除術も多く施行しています。

眼科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 274 0.02 2.68 0.73 75.47
K2683 緑内障手術 濾過手術 35 0.00 11.74 0.00 75.43
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) - - - - -
K2682 緑内障手術 流出路再建術 - - - - -
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの - - - - -

解説:
水晶体再建術と緑内障手術はコンスタントに症例があります。緑内障手術の流出路再建術は、徐々に数が増えています。硝子体手術は網膜剥離や黄斑前膜、硝子体出血などの症例もありますが、統計に反映されていないようです。(患者数が10件未満の場合は、-(ハイフン)で表記することとなっています)

耳鼻咽喉科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術 摘出 58 0.10 7.02 0.00 22.97
K4631 甲状腺悪性腫瘍手術 切除(頸部外側区域郭清を伴わないもの) 23 0.30 6.87 0.00 58.26
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術III型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 22 0.00 6.73 0.00 60.32
K4571 耳下腺腫瘍摘出術 耳下腺浅葉摘出術 18 0.06 6.78 0.00 62.28
K6261 リンパ節摘出術 長径3センチメートル未満 15 0.20 1.80 0.00 65.00

解説:
手術治療は入院日前に検査、説明を行い、当日の入院を基本としていますが、持病をお持ちの患者さんなど手術前の治療や管理を要する時は手術日前の入院となります。当科ではアレルギー性鼻炎や慢性鼻腔炎に対する鼻副鼻腔手術、中耳炎等に対する耳科手術、咽喉頭、頸部の炎症性疾患や良性、悪性腫瘍手術等、耳鼻咽喉科領域全般に対する手術を行っています。成人では習慣性扁桃炎に対して、小児では睡眠時無呼吸に対する治療として行われる扁桃腺摘出術がもっとも多くなっています。咽喉頭、頸部領域では耳鼻咽喉科であつかう悪性腫瘍で最も多い甲状腺悪性腫瘍に対する手術症例、良性腫瘍で最も多い耳下腺腫瘍摘出症例が多くみられます。鼻副鼻腔の手術はそのほとんどが内視鏡下の手術となります。高度の専門性を有する手術に対しては山口大学等附属病院等とも連携をとって手術、治療を行っています。

皮膚科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術 単純切除 20 0.10 5.65 0.00 74.95
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 長径3センチメートル以上6センチメートル未満 - - - - -
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 長径2センチメートル以上4センチメートル未満 - - - - -
K0061 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 長径3センチメートル未満 - - - - -
K0022 デブリードマン(100cm2以上3000cm2未満) - - - - -

解説:
基底細胞癌、ボーエン病、有棘細胞癌等の皮膚悪性腫瘍切除術においては手術当日入院とし、病変の大きさ、術式により入院期間を判断し、早期退院を目指しています。(患者数が10件未満の場合は、-(ハイフン)で表記することとなっています)

泌尿器科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 148 1.09 5.06 0.68 76.44
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの 76 5.66 13.78 6.58 68.97
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 70 0.93 4.33 8.57 72.36
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの 50 1.14 3.06 4.00 62.90
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 38 1.00 8.61 0.00 68.55

解説:
膀胱癌の治療としては、経尿道的手術が多く、腫瘍切除後、非浸潤性癌については、術後膀胱内抗癌剤注入治療を、再発予防のため行います。
末期腎不全の透析導入のために、内シャント造設術も当科で行います。
上部尿路結石に対しては、レーザー破砕による内視鏡的手術を積極的に行っています。前立腺癌の手術は、ほぼ全例、ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘出術を、腎癌、腎盂尿管癌の手術は腹腔鏡下手術を行います。

循環器内科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの 151 1.29 2.13 0.00 68.45
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 121 1.64 3.84 4.13 71.69
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術 不安定狭心症に対するもの 77 0.01 14.31 5.19 70.01
K5972 ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 74 2.08 8.38 8.11 81.20
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 53 1.47 6.42 9.43 74.28

解説:
最も多いのは虚血性心疾患(狭心症と心筋梗塞)に対する経皮的冠動脈ステント留置術です。開胸することなく低侵襲で治療でき、今後も増加するものと考えられます。また血管内超音波法、光干渉断層法、血流予備量比等を駆使して最適な治療を心がけています。難治性の患者さんに対してもロータブレーター、エキシマーレーザーアテレクトミー等の最先端の医療器具を駆使して治療を行っています。不整脈についてもエンサイト等の最新鋭の機器を駆使しカテーテルアブレーション(経皮的カテーテル心筋焼灼術)による根治術を行っています。特に最近は心房細動に対する経皮的カテーテル心筋焼灼術が増加しています。閉塞性動脈硬化症に対する四肢の血管拡張術・血栓除去術に関しても最新の機器を駆使して適切な治療を行っています。また症候性徐脈性不整脈の患者様には積極的にペースメーカー植込み術を行い患者様の予後改善に努めています。

消化器内科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 193 1.25 10.12 12.95 75.94
K6871 内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの 62 0.58 8.90 4.84 72.68
K654 内視鏡的消化管止血術 47 0.51 6.98 10.64 68.32
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術 40 0.00 7.73 2.50 73.00
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 36 0.22 5.89 0.00 76.75

解説:
上位5位までの手術は昨年と全く変わっておりません。専門性の高い胆膵領域の疾患に対する内視鏡治療や早期胃癌等の内視鏡的治療の症例が多くなっております。総胆管結石・胆管炎や膵癌等による黄疸、早期消化管癌の内視鏡的治療が必要な場合は近隣の病院、診療所よりご紹介いただいております。血管塞栓術に関しましては肝臓癌のカテーテル治療として行っているのがほとんどです。足の付け根の動脈からカテーテルを挿入することが一般的ですが、術後の安静が患者さんにとって苦痛になります。当院では、術後の安静による苦痛を軽減するためにできるかぎり左上肢の動脈からカテーテルを挿入するようにしております。内視鏡的消化管止血術に関しては胃・十二指腸潰瘍や大腸憩室出血などからの吐下血の患者さんに施行する手術になります。このような緊急の患者さんに対応できるように当院ではコ・メディカルスタッフと協力して、緊急手術・処置が必要な患者さんには休日・夜間問わず対応させていただいております。上位5位までの手術は緊急症例が多く、平均術前日数がかなり短くなっており、血管塞栓術に関しましても通常は当日入院で対応させていただいております。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

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DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 11 0.09
180010 敗血症 同一 22 0.18
異なる 35 0.28
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 61 0.49
異なる 23 0.18

解説:
DIC(播種性血管内凝固)はいろいろな病気で引き起こされ、これが生じるといろいろな臓器に障害をもたらしていきます。
重症病態を受け入れる当科において、合併することが多い病態です。
血液の固まりやすさ、固まりにくさが異常に同時に亢進し、それによる臓器障害、出血傾向を引き起こします。
敗血症は感染症がきっかけで全身状態を悪くするものだと考えていただければと思います。
新型コロナウイルス感染症でも分かるように、高齢者、基礎疾患を持つ患者さんにとっては命に関わってきます。
そのため、近隣の病院から悪くなりそうだと判断された症例は当科へ紹介となることが多いです。

(患者数が10件未満の場合は、-(ハイフン)で表記することとなっています)

更新履歴

2022年9月30日
令和3年度 徳山中央病院病院指標を公表しました