救急に強い!

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2. 救急に強い!
 当院では、救急医療の研修に特に力を入れています。入職してすぐ行われる救急研修のファーストステップから、当直中のバックアップ、当直後のフォローまで着実にレベルアップを図ることができる有意義な研修は、入職した研修医から大変大きな評価を受けています。
入職してすぐ、本当に必要な手技を徹底的に学ぶ!
 入職直後の一ヶ月間、当院でまず最初に学ぶのは救急医療研修です。救急医療の講義・実習を合わせて約70コマほどにも及ぶ研修は、現場で率先して業務を励行できるように、各科でプロデュースされた実践的な手技が中心です。受け身的な座学ではなく、現場で本当に必要とされる初期対応の基礎を徹底的に身につけることができるので、まもなく始まる当直や、グループローテートを行う各科で、慌てることなくスムーズに研修することができ、より深く学んで次のステップに進めます。
当直も安心! 充実のバックアップ
 入職直後の救急医療研修が修了すると、見習い当直を数回経験し、まもなく救急外来当直が始まります。救急外来では、1年次、2年次研修医がまずファーストタッチを行い、内科系、外科系当直医が研修医をバックアップしながら共に診療にあたります。さらに、ICU、周産期母子医療センター、救命救急センターの専門医が当直し、また、全診療科の医師が呼出待機しているため、必要時にはすぐに応援を依頼することができます。1年次研修医は2年次研修医に気軽に相談でき、2年次は頼れる先輩として1年次研修医をサポートする、いわゆる屋根瓦式研修のメリットが期待されます。
当直中の改善点は、徳中名物カンファレンスで解消!
 当院では、カンファレンスに特に力をいれています。モーニングカンファレンスでは、当直が明けた朝、毎日行われ、ケースカンファレンスは、毎週水曜日午後6時より行われます。救急医、総合診療内科医を中心に複数の指導医も参加するため、当直中の改善点はここで討論され、自分の当直だけでは経験できない症例も、このカンファレンスを通して共有することができます。また、発表者は自ら学び、教科書や参考文献を準備してわかりやすく伝えることが求められるため、学会や研究会での症例報告の練習にも。 また、修了時には、1年間カンファレンスで発表された症例をすべてまとめた症例集が配布されます。
救急患者数、県内トップクラス!
 当院の救命救急センターは、24時間稼働するER(救急室)とドクターヘリを活用し、県内トップクラスの救急患者を受け入れています。そのため、来院する救急外来患者の疾患は多種多様。1次から3次救急まで幅広く、医師として貴重な経験が尽きません。

指導医からMessage

救急は医療の原点です
清水 弘毅 救急科 部長
 当院の救急患者の受け入れを傷病程度別にみると年間約9割は軽症例です。ドラマや映画で見るような劇的な救命救急もありますが、数は多くありません。一般の方が「診てほしい」と思うのは、夜間の急な腹痛だったり、ちょっとしたけがだったりします。これを「診る」というのが、実は難しいことです。一見軽症に見える患者さんの中に、緊急処置を要する重症例が潜んでいることが珍しくないからです。そうした重症例を見落とさないように、丁寧に患者さんを診ていく技術と心を、初期臨床研修を通じて学んで欲しいと思います。当院にはそれを学べる環境があります。そして、緊急処置が必要な重症例に対して、迅速かつ的確に処置を行える能力を当院の研修で身につけてください。

どんな患者も受け入れる! ER型救急だから学べること

徳中を研修先に選んだ理由は?

藤永/まず志望科である脳神経外科の研修ができることが条件でした。それに、徳中に見学に来たとき、救急外来で研修医が1年目からバリバリ活躍している姿を見て、ここなら圧倒的な経験を積めそうだなと感じて。職員の方々とすれ違う度に挨拶が飛び交う病院の明るい雰囲気にも惹かれました。
古霜/外科と循環器内科の両方が研修できることに魅力を感じました。なおかつ当直で内科も外科も見ることができる。研修医の人数も多いので、いろいろな人から刺激を受けることで、多様な考えを尊重しながら人間的にも成長できそうだなと思いました。
竹内/救急科に興味があったので、一次救急の軽症患者から三次救急の重症患者まで全てを受け入れる徳中のER型救急はしっかり見ておかなければいけない環境だと思いました。希望すればたくさん手技をする機会を与えてもらえることもポイントでした。
藤永/病院全体の雰囲気や臨床の場に慣れる期間としても、こうした導入プログラムが用意されているのは本当にありがたいです。同じ時間を過ごせるので、同期とも仲良くなれる貴重な時間でした!
救急外来当直のバックアップも万全!

救急外来当直について教えてください。

藤永/まず1年目の研修医がファーストタッチを行い、2年目の研修医からアドバイスを受ける。その上で、内科系・外科系の当直医や専門医にコンサルできる。いわゆる屋根瓦式の研修です。2年目の先輩に相談した上で治療方針を決められますし、必要に応じて各診療科の先生に応援も依頼できるので、安心感があります。
竹内/まず見習い当直で先輩の姿を見て、翌月から当直に入るイメージをつかめたのも良かったです。おかげで、救急医療研修時に学んだシーネ固定をスムーズに実践できました。藤永先生がポイントを教えてくださったおかげで、難しい動脈ラインも一発でとれました。先輩から教わったことが身についている実感があります!
藤永/実は1年目のときは全然できなかったんです。上級医の先生に教えてもらいながら、何回もやるうちに自分なりのコツをつかむことができました。今はそれを後輩に教えることでさらに理解が深まっている感じです。
古霜/徳中の救急外来には軽症の人から緊急性の高い人までさまざまな患者さんが運ばれてきます。年齢や性別、主訴の組み合わせによって、想定される疾患やリスクが全く違ってくるので、見極めが難しいところです。診断のコツは第一印象(ファーストインプレッション)。救急科の先生からは、教科書に載っている数値に頼るだけでなく、主訴はもちろん歩き方やご家族の話など、最初にどれだけ情報を引き出せるのかが重要だと教わりました。
竹内/緊急度などの見極めは本当に難しいです。先輩たちや上級医の先生方のスゴさを実感します。
古霜/あるときマダニに咬まれた患者さんが来られました。実はマダニを見るのは初めて。ピンセットでマダニを取り除き、抜き取ったマダニに牙がくっついているかどうかを確かめるべきだったのですが、患者さんの体の方を調べてしまって…。2年目の先輩が教えてくださって助かりました。
藤永/2年目の今は同じ診療科をローテートしているため、他科を見る機会が少なくなったので、救急外来で一つひとつの症例を復習しながら広範囲のことを学ぼうと心掛けています!
日々のカンファレンスで着実に力をつける!

徳中名物カンファレンスとは?

藤永/当直明けのモーニングカンファレンスは、当直中に分からなかったことを解決できる貴重な場です。患者さんにどんな問診、検査をして、どんな処置を行ったのか、一連の流れを発表した後、救急科や総合診療科の先生からフィードバックを受けます。自分の経験だけでなく、他の人が経験した症例を追体験できるので、中身は相当濃密です。
竹内/国試では診断に必要なキーワードが文章題の中に入っていました。でも、実際の臨床現場では、それを問診で引き出さなければいけません。翌朝のカンファレンスで発表すると、先生方から容赦なく質問がきます。そこで、問診すら満足にできていなかったことに気づかされます。例えば、便がいつ出たのかは聞いていても、どんな便だったかまでは深堀りできていなかったり…。これって簡単なようで意識していないとなかなかできないんです。
藤永/多くの症例を診ることで徐々にそうした意識が持てるようになると思います。さらに、カンファレンスで繰り返しフィードバックを受けることで、救急科や総合診療科の先生が意識しているポイントがなんとなく分かってくるようになります。
竹内 転倒したのであれば、どこでどうやって転んだのか。どちら側に倒れて、どう手をついたのか。転倒の仕方と傷の場所が一致しているのかどうかまで詳しく確認します。問診力は間違いなく養えますよ。
藤永/主訴の中から何に一番困っているのか、根っこを聞き出してからが勝負。まず本質をついた質問をして情報を集めるようにしています。例えば、背中に火傷を負ったのであれば、虐待の可能性はないのか。たった一度の診療がその人の命を救うタイミングかもしれない。救急科の先生からはケガや病気の背景まで考えて行動するようにと教わりました。僕らが診ているのは「病気」ではなくて「人」なのだと気づかされました。
古霜/頭では分かっていても、いざ患者さんを目の前にすると緊張してしまうので、話し方や聞き方のテクニックも、2年目の先輩から盗めたらいいなと思っています。
藤永 医学的には問題がなくても、不安が強くて再び救急外来を受診される方もいます。そうした患者さんやそのご家族の不安を取り除くために、「聞きたいことはありますか?」と質問タイムを必ず設けるようにしています。
古霜/毎週水曜日に開かれるケースカンファレンスでは、珍しい症例を取り上げます。発表された症例は年ごとにまとめて冊子にしてもらえるので、後で振り返りもできます。
竹内 先日、吐血を訴える患者さんが来られました。原因は大量飲酒による激しい嘔吐により食道が傷ついて吐血する「マロリーワイス症候群」でした。数日後に、別の理由で吐血の患者さんが来られました。その際、上級医の先生から、緊急内視鏡の必要度を判断するスコアの存在を教えていただき、状況に合わせてどんな検査をすれば良いのか、自分で提案できる判断材料が増えました。
藤永/昨年のケースカンファレンスで取り上げたテーマが上部消化管出血でした。鮮血便から下部消化管出血を疑ったのに、上部消化管出血だったという珍しい症例です。通常、上部消化管から出血した場合は、胃で酸化されるため黒褐色の便が出るのですが、その患者さんは胃酸の作用を受ける時間がないほど急激に起こる大量出血だったため、放っておいたらショック状態になるところでした。今思い出してもヒヤッとします。
古霜/先輩の経験談から学ぶことは多いですね。常に自分だったらどう対応するのかをシミュレーションしながらカンファレンスに参加しています。
自ら考え、動けるアクティブな医師を目指して!

最後に、後輩へのメッセージをお願いします!

藤永/2年目から将来専攻する科を重点的に回るもよし、さまざまな科をローテートするもよし。自由度の高さがウリです。徳中なら自分に合った研修スタイルを選ぶことができます。
竹内 市中病院ではありますが、希望すれば2年目から専門的な疾患も診られる大学病院にも行ける。選択肢の幅の広さが徳中の魅力です。
古霜/先生方は研修医も一人の戦力として考えてくださって指導してくださいます。想像以上に多くの経験ができるので、充実した研修が送れますよ。今はかなり遠く感じる先輩方の背中ですが、それを追いかけて日々努力を重ねていきたいと思っています!
竹内/研修医室に戻っても、暇さえあればカルテや心電図を見ている意識の高い同期が揃っているので、いい刺激になります。とにかく研修医の人数が多いので仕事もプライベートも楽しいですよ!
藤永 徳中で研修すれば間違いありません! 内科も外科も一通りのことはできるようになります。自ら考えて動ける。確実にアクティブな医師に成長できますよ!
竹内/無事みなさんが国試に合格することを祈っています!
全員/まずは実際の雰囲気を見るのが一番。病院見学でお待ちしています!
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