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遺伝子診療科

 遺伝子診療科では、がんゲノム医療、遺伝性腫瘍、その他の遺伝性疾患の遺伝カウンセリングや診断を行っています。疾患の治療は各担当科で行います。遺伝子診療科の診察日は毎週水曜日午後で、予約のみの診療を行っています。予約方法は、院内の患者さんの場合は、主治医よりご紹介をいただきます。院外の患者さんの場合は、主治医より地域連携室を通して予約をお取りいただきます。
 受診予約についての詳細などはこちらをご覧ください。

◆がんゲノム医療について
 がんは遺伝子の異常によって発症します。ゲノム解析によりがん細胞の特徴を網羅的に調べ(がん遺伝子パネル検査)、適切な薬剤があるかどうか専門家チームで検討します。保険承認薬に結びつくこともありますが(コンパニオン診断)、主に臨床試験、治験に結びつけることが目的です。この遺伝子パネル検査は保険診療、自由診療のものがありますが、多くの場合、保険診療で行っています。保険診療の対象となるのは、標準治療が終了(見込み)の固形がんや希少がんなどの患者さんです。
 遺伝子パネル検査は既に生検や手術で保存されたがん組織を用いて検査を行います。また、2021年からリキッドバイオプシーという血液で遺伝子パネル検査を行う新しい方法も保険診療で利用可能となりました。遺伝子パネル検査の結果から、がんの治療に役立つ情報の有無とは別に遺伝性腫瘍が判明することがあります。この場合、血縁者にも同じ遺伝子異常が存在する可能性が出てきます。
 現時点では残念ながら、がん遺伝子パネル検査の結果によって有効な治療薬投与に結びつく可能性は高いとは言えず、過剰な期待はできません。しかし、検査方法、治療薬開発、患者申出療養などがんゲノム医療の状況は日々進化しています。
情報提供や話をお聞きになりたい方は、主治医にご相談いただくか、がん相談支援センター(徳山中央病院内)までお問い合わせください。

◆遺伝性乳がん卵巣がん
 BRCA1/2遺伝子に病的異常がある場合、遺伝性乳がん卵巣がん (HBOC)と診断されます。遺伝性のがんで最も多いのが、HBOCとなります。HBOCの場合、一生の内に高率に乳がんや卵巣がんを発症します。その他、すい臓がん、前立腺がんも関連することがあります。HBOCの疑いのある方*はまず遺伝カウンセリングを受けることをお勧めします。実際の遺伝子検査は採血を行い、血液中のDNAを調べます。自費診療で行うBRCA1/2遺伝子検査費用は、99,000円(税別)となります。血縁者の遺伝子検査費用(シングルサイト)は、33,000円(税別)です。
 また、乳がんで若年発症、両側発症、血縁者に乳がんがいる方や卵巣がんの方等、HBOCが疑われる患者さんに対しても保険診療でBRCA1/2遺伝子検査を行うことができるようになりました。BRCA遺伝子に病的バリアント(遺伝子の異常)が認められた場合、予防、早期発見、早期治療といった適切な医療を受けることができます。2020年からは、乳がんまたは卵巣がんの患者さんに対し、保険診療として予防手術やサーベイランスが行うことができるようになりました。また、血縁者の方々も同じ遺伝子異常がある可能性があるので、遺伝カウンセリングを行います。
 *遺伝学的検査を行う基準(NCCNガイドラインより一部抜粋)
 ◼若年性乳がん(45歳〜50歳以下で診断された)
 ◼60歳以下で診断されたトリプルネガティブ乳がん
 ◼2個以上の原発性乳がん
 ◼卵巣がん
 ◼男性乳がん
 ◼近親者に乳癌、卵巣癌などを発症した人がいる。

◆PARP阻害薬のコンパニオン診断としてのBRCA遺伝子検査
  乳がん、卵巣がん、前立腺がん、膵臓がん*に対して、手術で取りきれなかった場合や手術後に再発を認める場合は薬物療法がしばしば行なわれます。このような患者さんに対して、PARP阻害薬と呼ばれる分子標的薬が使用されることがあります。このPARP阻害薬を使用する際にはBRCA1/2遺伝子の検査により患者さんに使用できるか(適応があるかどうか)調べる必要があります(コンパニオン診断)。検査は、HBOCの診断と同様に血液中の正常細胞(生殖細胞系列)におけるBRCA1/2遺伝子の病的バリアント(変異)の有無を確認します。BRCA1/2遺伝子に異常が見つかった場合は、オラパリブ®︎などのPARP阻害薬投与の適応となりますが、その人の他のがん発症リスクを考えなければいけません。また血縁者にも同じ遺伝子異常がある可能性があるため、遺伝カウンセリングを受けることをお勧めします。
 *保険適応 (2021年現在)
乳がん:がん化学療法歴がありかつHER2陰性の手術不能または進行再発乳癌
卵巣がん:卵巣癌における初回化学療法後の維持療法
     白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌における維持療法
前立腺がん:遠隔転移を有する去勢抵抗性の前立腺癌
膵臓がん:治癒切除不能な膵癌における白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法後の維持療法


◆リンチ症候群
 リンチ症候群はHBOCに次いで2番目に多い遺伝性腫瘍です。大腸がんの数%は遺伝性であると言われています。リンチ症候群は遺伝性でない大腸がんと比較すると、より若年(平均43~45歳)でがんの発症が見られることが特徴で、大腸にいくつもがんができる場合があります。また大腸以外の臓器(子宮、胃、小腸、卵巣、腎臓、尿管など)にも、がんが発生することがあります。
 リンチ症候群の発症に関係している遺伝子は、MLH1, MSH2, MSH6, PMS2, EPCAM遺伝子があり、これらは、ミスマッチ修復遺伝子と呼ばれています。これらの遺伝子は、通常は、細胞が分裂する際に時々起こるDNA複製の間違いを、元に修復する役割を果たしています。ミスマッチ修復遺伝子に変異が生じると、DNA複製の間違いを正常に修復できなくなるため、がんになりやすいと考えられています。
 抗がん剤の1種である免疫チェックポイント阻害薬キイトルーダ®︎が効くかどうかを調べる目的で、マイクロサテライト不安定性検査 (MSI検査) を行うことがあります。また最近、大腸癌におけるリンチ症候群の診断の補助及び大腸癌における化学療法の選択の補助についてもMSI検査の対象となりました。これらのMSI検査は保険診療で行えます。マイクロサテライト不安定性とは、遺伝子全体にどの程度の変異があるのかを知る手がかりとなるものです。ミスマッチ修復遺伝子に異常があれば、マイクロサテライト不安定性が高くなります (MSI-High)。よってMSI-Highのがん患者さんは、リンチ症候群である可能性も考えておかなければなりません。
 自費診療で行うミスマッチ修復遺伝子検査費用は、121,000円(税別)となります。血縁者の遺伝子検査費用(シングルサイト)は、33,000円(税別)です。

 遺伝子診療科では、このような患者さん、ご家族のサポートをさせていただいています。その他にがん以外の種々の先天性疾患の遺伝子診断、出生前診断、カウンセリングを主治医と協力して行っています。
 遺伝カウンセリングでは、患者さんの病状、遺伝学的情報、社会的背景などを考慮した上で、遺伝子検査のメリット、デメリットなどについて話し合います。またその人と家族が抱える心配事や疑問についても一緒に考えてゆきます。
 遺伝カウンセリング、遺伝子検査は保険適応のものと自費診療のものがあります。自費診療の遺伝カウンセリング費用は5,000円(税別)となります。
 現在は遺伝子診療科の診察やカウンセリングは、産婦人科外来診察室で行っています。

担当医師

部長 山縣 芳明 平成7年卒業 専門医:
臨床遺伝専門医
遺伝性腫瘍に関する遺伝カウンセリング受け入れ可能な臨床遺伝専門医
生殖医療に関する遺伝カウンセリング受け入れ可能な臨床遺伝専門医
産婦人科専門医・指導医
生殖医療専門医

(所属学会)
日本人類遺伝学会、日本臨床腫瘍学会、日本産科婦人科遺伝診療学会、日本生殖医学会、臨床腫瘍学会、他


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