脳神経外科

 脳神経外科

脳神経センターについて

 くも膜下出血・脳出血・脳梗塞等の脳卒中をはじめ、頭部外傷、脳腫瘍、炎症・感染疾患、神経変性疾患、脱髄疾患等の脳・神経疾患を脳神経外科と脳神経内科が連携して診療できる様に、2007年に『脳神経センター』を開設しています。更に2011年4月から救命救急センター内に脳卒中専用病室(Stroke care unit; SCU) を開設し、11床にて運用しています。このSCU病室は脳卒中や頭部外傷、神経変性疾患を始めとした重症脳神経疾患を患われた患者様の初期診療を目的として運用しており、より高度な医療と手厚い看護、および発症早期よりのリハビリテーションを提供できる様に日々努力しています。
 現在、脳神経センターには5名の脳神経外科医(専門医5名)と4名の脳神経内科医(専門医1名)が在籍しており、脳卒中や神経変性疾患を始めとする脳神経疾患患者全般の診療に24時間体制で取り組んでいます。
 当院では脳卒中や頭部外傷、神経変性疾患の診療に24時間体制で対応するため頭部MRI検査およびCT検査は24時間施行可能な体制を整えています。
 当院の脳神経センターには脳卒中専門医が4名、脳血管内治療専門医が2名(1名は指導医)在籍しており、脳梗塞に対してrt-PAを用いた超急性期血栓溶解療法およびカテーテル治療による血栓回収術を24時間体制で積極的に行っています。急性期、慢性期の血行再建術、脳出血に対する緊急手術(開頭血腫除去術および内視鏡的血腫除去術等)、破裂脳動脈瘤に対する急性期開頭手術や血管内手術も行っています。また脳腫瘍に対してはナビゲーション・システムを用いた安全・確実な摘出手術を実施しています。脊髄・脊椎疾患に関しては、定期的に整形外科のドクターとカンファレンスを行い合同手術例も増加しています。
 当院は周南二次医療圏の中核的、急性期病院として、24時間体制で脳卒中を中心に『患者様の意志を尊重した治療』を合言葉に診療を行なっています。

脳神経センターおよび脳神経外科の診療内容、診療実績

 2022年1月から12月までの1年間に脳神経センターへ入院された患者様の総数は延べ1,028名で、近年は例年ほぼ千名を超える脳神経疾患の患者様を受け入れています。脳神経外科への入院が681名、脳神経内科への入院が347名でした。1日平均入院患者数は脳神経外科が34.5名(2021年度は34.7名)、脳神経内科が15.2名(2021年度は19.8名)であり、合計では1日平均約49.7名が1年間を通して脳神経センターへと入院されていたことになります。
 2022年1月から12月までの外来患者様の述べ総数は脳神経センター全体で23,801名でした。2021年は20,570名、2020年は19,417名であり、外来患者数は増加傾向を示しています。(表1)

表1 脳神経センター患者数
2017年2018年2019年2020年2021年2022年
新規入院患者886834871774945966
入院患者延数95490690683110231028
外来患者延数186391861019318194172057023801
表2 脳神経外科の主な手術件数
診断名手術術式20182019202020212022
脳腫瘍開頭腫瘍摘出術2222182425
経蝶形骨洞手術20020
破裂脳動脈瘤開頭術1815172313
血管内手術(塞栓術)1311614
未破裂脳動脈瘤開頭術95573
血管内手術(塞栓術)1
脳動静脈奇形摘出術20331
血管内手術6
内頸動脈狭窄血栓内膜剥離術74522
ステント留置術1719202117
脳出血開頭血腫除去術144362
内視鏡的血腫除去術13461813
三叉神経痛
顔面けいれん等
微小血管神経減圧術49655
頭部外傷開頭術4121267
慢性硬膜下血腫穿頭術6956685483
脳梗塞カテーテルによる
血栓回収療法
111152338
 当科における主な手術件数を表2に示します。例年、年間で250-300例ほどの脳外科手術が行われています。
 近年の特徴は、脳梗塞に対する急性期血栓回収療法をはじめとした、血管内(カテーテル手術)手術の増加が目立つことです。

「一次脳卒中センター(PSC)コア」に認定され、稼働しています

 脳卒中診療は”Time is Brain”といわれ発症から迅速な対応が望まれます。お示ししたように、当科は24時間365日、発症直後(急性期)の脳卒中に対するすべての治療に対応可能であり、2019年9月より日本脳卒中学会から「一次脳卒中センター(PSC):(山口県内14施設)」の認定を受けておりましたが、これまでの診療実績や診療体制をもとに『地域においてコアとなるPSC施設(PSCコア施設)(山口県内3施設)』としてこの度、更なる認定を受けました。

「一次脳卒中センター(PSC)コア」認定基準について

一次脳卒中センター(PSC)コアは下記の5項目をみたすことが求められる

  1. 一次脳卒中センター(PSC)に認定されていること
  2. 日本脳神経血管内治療学会の脳血管内治療専門医と3学会認定の脳血栓回収療法実施医が合計して常勤3名以上であること
  3. 血栓回収治療実績が年間12例以上あること
  4. 自施設において24H/7Dで血栓回収治療に対応可能であること
  5. 脳卒中相談窓口を設置すること

 今後もPSCコア施設として、地域の医療機関との連携を図り、より多くの方に高度な医療を行うことのできる体制・環境整備を進め、質の高い医療を提供することで地域に貢献してまいります。
副院長
リハビリテーション部
管理部長

原田 有彦
昭和59年卒
日本脳神経外科学会(専門医、指導医)・日本脳卒中学会(専門医)、日本プライマリ・ケア連合学会(認定医、指導医)
日本脳神経外科学会・日本脳卒中学会・日本脳神経外科コングレス・日本脳卒中の外科学会・日本脳神経血管内治療学会・日本脳ドック学会・日本プライマリ・ケア連合学会・山口大学脳神経外科臨床准教授
主任部長
上田 祐司
平成元年卒
日本脳神経外科学会(専門医、指導医)・日本脳卒中学会(専門医)・日本脳卒中の外科学会(技術指導医)・ITB療法実施医・日本脳神経血管内治療学会(血栓回収実施医)
日本脳神経外科学会・日本脳卒中学会・日本脳神経外科コングレス・日本脳卒中の外科学会・日本頚部脳血管治療学会・日本脳神経血管内治療学会・日本小児神経科学会・日本聴神経腫瘍研究会・米国神経外傷学会(National Neurotrauma Society)
部長
藤村 直子
平成5年卒
日本脳神経外科学会(専門医、指導医)・日本脳卒中学会(専門医)・日本脳血管内治療学会(専門医・指導医)・日本抗加齢医学会(専門医)
日本脳神経外科学会・日本脳卒中学会・日本脳神経血管内治療学会・日本脳神経外科コングレス・日本脳卒中の外科学会・日本抗加齢医学会・米国脳神経外科コングレス学会
部長
原田 克己
平成8年卒
日本脳神経外科学会(専門医、指導医)・日本脳血管内治療学会(血栓回収実施医)
日本脳神経外科学会・日本脳神経外科コングレス・日本脳血管内治療学会・日本脳卒中学会・日本脳卒中の外科学会・日本神経内視鏡学会・日本脳腫瘍学会・日本脳腫瘍の外科学会
医長
西本 拓真
平成26年卒
日本脳神経外科学会(専門医、指導医)・日本脳神経血管内治療学会(専門医)
日本脳神経外科学会・日本脳神経血管内治療学会・日本脳神経外科コングレス・日本脳卒中学会
月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前 1診



2診
原田 有彦

3診
藤村 直子
1診



2診
上田 祐司

3診
原田 克己
1診
西本 拓真


2診
藤村 直子

3診
原田 克己
1診
藤村 直子
(初診)

2診
原田 有彦

3診
1診
第1・3・5週
原田 有彦

2診
上田 祐司

3診
原田 克己
午後

脳卒中相談窓口について

2023年4月1日から脳卒中相談窓口を解説しています。
脳卒中療養相談士が脳卒中の治療、後遺症、復職などへの疑問や不安にお答えしますので、お気軽にご利用ください。
  [お問い合わせ] 脳卒中相談窓口:0834-28-4411(代表)
なお、入院中の患者さんは、病棟スタッフまでお声掛けください。

脳ドック

 脳神経センターでは健診部門と連携して脳ドックを行っています。脳腫瘍、未破裂脳動脈瘤等の疾患が発見された場合には、充分なインフォームドコンセントを経て、『患者様の意志』を尊重した治療方針決定を行っています。

患者さん紹介時のお願い

原則24時間体制で入院、治療の受け入れを行なっています。脳梗塞など超急性期の診断治療が重要となってきていますので症状があれば早期に紹介してください。

治療後は後遺症のため自宅への退院が困難な場合には近隣の病院、老健施設等に紹介しています。自宅退院の場合には紹介元の先生に紹介し当科でも経過観察しています。




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