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脳神経外科

1.脳神経センターについて:

 平成19年には脳神経外科と神経内科が連携して診療を行なうために「脳神経センター」を開設しました。これにより、くも膜下出血・脳出血・脳梗塞等の脳卒中をはじめとして頭部外傷・脳腫瘍・神経変性疾患等の脳・神経疾患を両科で協力して診療することができる様になっておりましたが、平成26年3月末をもって神経内科医が定年退職となり、現在神経内科医による診療は週2回の外来診療のみとなっています。
 平成23年4月からは救命救急センター内に脳卒中専用病室(Stroke care unit; SCU) が開設され、現在は11床にて運営しています。このSCU病床は脳卒中や頭部外傷を始めとして、重症脳神経疾患を患われた患者さんの初期診療を目的として運用されており、以前に比べてより高度な医療と手厚い看護を提供できる様になっております。
 現在、当センターには4名の脳神経外科医(専門医4名)が在籍しており、脳卒中を始めとする脳神経疾患患者の診療に24時間体制で取り組んでいます。当院では脳卒中および頭部の重症外傷に関しては24時間体制で臨んでおり、緊急患者さんに対応するため頭部MRI検査およびCT検査は24時間施行可能な体制を整えています。脳梗塞に対してはrt-PAを用いた超急性期血栓溶解療法およびカテーテル治療による血栓溶解術も積極的に行っています。急性期、慢性期の血行再建術、脳出血に対する緊急手術(開頭血腫除去術および内視鏡的血腫除去術等)、破裂脳動脈瘤に対する急性期開頭手術や血管内手術も行っています。破裂脳動脈瘤の開頭手術に際しては蛍光色素を用いた血管の保護も行っています。脳腫瘍に対してはナビゲーション・システムを用いた安全・確実な摘出手術を心がけています。
 頭部MRI装置は3.0テスラが2台、1.5テスラが1台の計3台が稼働しています。頭部CT装置は320列マルチスライスCTと全国的にも最先端の装置を導入し、診療にあたっています。
 周南地区の二次救急担当病院として、24時間体制で脳卒中を中心に『患者さんの意志を尊重した治療』を合言葉に診療を行なっています。
 

2.診療内容、診療実績:

 平成26年1月から12月までの1年間の入院患者さんの総数は延べ694名でした。平成20年、21年、22年、23年、24年、25年の年間入院患者総数はそれぞれ722名、822名、832名、867名、897名、884名であり、24年度までは年々増加していましたが、26年度は25年度と比べて減少がみられました。入院患者さんのうち救急車による搬入が340件と約半数を占めていました。25年度は救急車による搬送が175件と全入院患者さんの約5分の1であったことを考えると、入院患者総数は減少しているものの重症患者さんの割合が飛躍的に増加した1年であったと思われます。
inpatients

 手術件数は24年度293件、23年度261件、22年度246件と年々増加していましたが、25年度は274件とやや減少し、26年度は247件でした。
ope

 また26年1月から12月までの1年間の外来患者さんの述べ総数は22,116名でした。25年度が26,405名、24年度26,361名、23年度26,019名、22年度24,770名と昨年度までは年々増加しておりましたが、神経内科医の退職や脳神経外科医師数の減少に伴い26年度は総数では減少がみられました。
outpatients

 平成26年度の入院患者さんの内訳では、脳卒中患者さんが454名(平成25年度、577名、平成24年度、540名)と全体の約3分の2を占めており、脳梗塞および一過性脳虚血発作の患者さんが316名(平成25年度は413名、平成24年度は371名、平成23年度は346名、平成22年度265名、平成21年度230名)、くも膜下出血が28名(平成25年度は29名、平成24年度39名、平成23年度36名、平成22年度38名、平成21年度35名)、脳出血が110名(平成25年度135名、平成24年度130名、平成23年度119名、平成22年度124名、平成21年度116名)でした。入院の約8割が脳卒中や頭部外傷などの緊急入院であり、24時間体制での受け入れに努めています。
change

 脳動脈瘤破裂により発症するくも膜下出血に対しては、急性期直達手術およびコイルによる血管内手術(塞栓術)の両方が施行可能です。平成26年度には直達手術を12名に血管内手術を7名に行っています(25年度には直達手術16名、血管内手術10名、24年度には直達手術20名、血管内手術を10名)。
Subarachnoid hemorrhage

 症例により最適と考えられる治療法を選択して治療にあたっています。術後の脳血管攣縮に対して、必要に応じて血管拡張術も行っています。また脳動脈瘤を破裂前に発見し治療するために検診部門と連携して脳ドックを行っています。脳腫瘍、未破裂脳動脈瘤等の疾患が発見された場合には、『患者さんの意志』を尊重して治療方針を決定しています。現在、未破裂動脈瘤に対しても直達手術(開頭手術)とカテーテルによる血管内手術(塞栓術)の両方による治療が可能です。平成26年度には直達手術を9名(平成25年度は9例、平成24年度は4名)に、血管内手術を1名に行っています(平成25年度3名)。
aneurysm

 患者さんが血管内手術を希望される事も多くなっており、今後も適応があれば日本脳神経血管内治療学会専門医を中心に血管内手術も積極的に行っていきたいと考えております。血管内手術については平成23年11月に脳血管撮影装置が最新の装置へと更新されており、より安全に治療が行える体制が確立されています。
 慢性期の血行再建術として頸動脈狭窄に対する治療を積極的に行っています。平成26年度には頸動脈内膜剥離術を3名に(平成25年度は5名、平成24年度は6名に)、血管内手術であるステント留置術を15名(平成25年度は12名、平成24年度は8名)に行っています。
narrow

 脳梗塞に対してはrt-PAによる急性期血栓溶解療法を積極的に行なっています。rt-PAによる血栓溶解療法の適応基準が発症後3時間から発症後4時間30分に延長されたこともあり、平成25年1月から12月までの1年間にrt-PAによる急性期血栓溶解術を受けられた患者さんは21名おられました(平成25年度は23名)。
rt-PA

 また近年ではrt-PAが行えなくても、発症後8時間以内で条件を満たせば、血管内手術(カテーテル手術)により血栓を除去し、脳血流の再開を果たすことが可能となっています。当院ではMerci deviceやPenumbra systemを用いた急性期カテーテル治療を平成26年度には4名(平成25年度には7名)の患者様に行っております。
catheter

 急性期の血栓溶解療法を行うためには早期診断が重要であり、夜間も専門医はオン・コール体制を放射線技師は当直体制を整えており、迅速な診断ができる様に努めています。今後は更に急性期血栓溶解療法が迅速かつ安全に行えるように体制の確立に努めていく予定です。
 脳梗塞の中でも脳塞栓症を発症しておられる患者さんについては、後遺症の軽減を目的とし、積極的に高気圧酸素治療を受けて頂いています。
 脳出血・頭部外傷については全身状態の把握につとめ、状態によっては緊急の血腫除去術を行っています。脳内出血の除去方法としては最近では内視鏡を用いた、より安全で肉体的負担の少ない手術法を採用しています。
脳卒中・頭部外傷ともに早期のリハビリテーション開始に努めています。脳卒中を始めとした脳神経疾患専任の理学療法士が7名、作業療法士も5名、言語療法士が3名在籍しており、発症早期より密度の濃いリハビリテーションを行っています。脳神経疾患の機能回復には連日の訓練継続が重要と考えており、土曜・日曜、祭日も休みなく機能回復訓練を行っています。
 脳腫瘍については手術・化学療法・放射線治療を組み合わせて治療にあたっています。治療方針の決定には患者さん本人および御家族の意志を尊重、最優先しています。手術に際してはナビゲーション・システムや蛍光システムを用いることにより、安全かつ迅速な処置に心がけています。平成26年度には13例の開頭腫瘍除去術を行っています。
多発性硬化症・ギランバレー症候群・パーキンソン病などの神経変性疾患についても25年度までは入院加療を行っておりましたが、神経内科医が不在となったため、平成26年4月よりは近くの施設に紹介させて頂いています。パーキンソン病の患者さんは現在約40名の方が通院加療中です。

 

3.医療機器等

 MRI 3台(3.0テスラ2台、1.5テスラ1台)、multi-slice CT 2台(320列マルチCT, 64列マルチCT)、RI装置1台が現在稼働しています。また、脳血管撮影装置についても最新型フラット・パネルが23年11月に導入され稼働中です。脳梗塞の治療目的にて高気圧酸素治療装置が導入され、連日稼働中です。リニアックは平成23年度に最新式の装置に更新されており連日稼働中ですが、定位脳照射が可能なノバリスTx装置が導入されており、26年7月から稼働予定としております。またPETも導入されています。

 

診療スケジュール

曜日/時間 午前 午後
月曜日 [2診]
  原田 有彦
火曜日 [2診]
  上田 祐司
[3診]
  原田 克己(初診)
水曜日 [2診]
  原田 有彦
[3診(初診)]
  原田 克己
木曜日 [1診]
  原田 有彦(初診)
[2診]
  上田 祐司
[3診]
  森 尚昌
金曜日 [1診]
  第1、3、5週
  原田 有彦
[1診]
    上田 祐司(初診)
[3診]
  原田 克己

担当医師

主任部長   リハビリテーション部管理部長 原田 有彦 昭和59年卒 日本脳神経外科学会(専門医、指導医)・日本脳卒中学会(専門医)、日本プライマリ・ケア連合学会認定医/指導医
日本脳神経外科コングレス・日本脳卒中の外科学会・日本脳神経血管内治療学会・日本神経科学学会・日本神経外傷学会・日本老年脳神経外科学会・日本脳神経CI学会・日本神経病理学会・日本脳腫瘍病理学会・日本脳卒中学会・日本プライマリ・ケア連合学会・日本放射線腫瘍学会・日本脳ドック学会・日本高気圧環境・潜水医学会・日本脳腫瘍の外科学会・神経組織の成長・再生・移植研究会・日本神経学学会
部長 上田 祐司 平成元年卒 日本脳神経外科学会(専門医、指導医)・日本脳卒中学会(専門医)・日本脳卒中の外科学会(技術指導医)・ITB療法施行資格医・ボトックス療法施行資格医
日本脳神経外科学会・日本脳神経外科コングレス・日本脳卒中の外科学会・日本脳神経血管内治療学会・日本頚部脳血管治療学会・日本神経科学学会・日本脳低温療法研究会・日本小児脳神経外科学会・米国神経外傷学会(National Neurotrauma Society)
部長 原田 克己 平成8年卒 日本脳神経外科学会(専門医、指導医)
日本脳神経外科コングレス・日本脳卒中学会・日本脳卒中の外科学会・日本脳腫瘍学会・日本脳神経血管内治療学会・日本神経内視鏡学会
医員 森 尚昌 平成25年卒 日本脳神経外科学会・日本脳腫瘍の外科学会・日本脳卒中学会

患者様紹介時のお願い


原則24時間体制で入院、治療の受け入れを行なっています。脳梗塞など超急性期の診断治療が重要となってきていますので症状があれば早期に紹介してください。

治療後は後遺症のため自宅への退院が困難な場合には近隣の病院、老健施設等に紹介しています。自宅退院の場合には紹介元の先生に紹介し当科でも経過観察しています。

主な検査機器等


MRI,multi-slice CT,Xe-CT,IVR-CT,リニアック、ナビゲーションシステム等

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